快感小説

女装画家ミルの女体修復(終話)

 たまらない思慕の念を抱く美しい主を共有する二
人の奴隷。しかしそんなことがあり得るのか。姉も
妹も女。女は誰もが独占欲を持っていて、独占でき
ないものに不安を感じる。姉妹であり他人よりむし
ろ遠慮のない関係だから欲望は露骨なカタチで現れ
る。嫉妬は敵意を生むだろうし、敵意はやがて憎悪
となって燃え上がる。
 もともと姉のためにミルと出会った。姉がぞっこ
んになったとき、最初のうち妹はこれでよかったの
だと考えたのだが、魔法の絵筆で淫欲を与えられて
いるうちに、こんな彼女(かれじょ)は世界に一人
しかいないと思えてくる。見えない縄で縛り上げ、
見えない鞭痕を描かれただけで、行為のまったくな
いSとMの関係に飛翔していける。
 女は心でイク。いかにセックスがよくても、まし
てペニスのサイズなどは無関係。心が崩れてミルの
中に流れ出せば止められない。

 姉妹揃って裸身を寄せ合い、尻の底部までも主に
晒し、もがき狂うように果てていける。ミルがいっ
たい何をした? 縛ってはいない。鞭打ってもいな
かったし浣腸などもちろんしない。
 にもかかわらず、浣腸された肛門だと言われなが
ら絵筆でアナルを描かれると便意が突き上げてくる
のだった。鞭傷などどこにもないのに痛くてならず、
縛られてもいないのに手足が動かせずにのたくって
這い回る。

 淫欲世界の神ではないのか? 条件反射あるいは
催眠術のようなもの? 洗脳かもしれないし単なる
錯覚なのかもしれない。
 幸せだった。牝に生まれついた幸福をこれでもか
と与えてくれるご主人様は、繊細な女心を同時に備
えた女王様。性別ではない。人としての本質にメロ
メロになっていく。
 女装画家ミルの女体修復。不可解きわまりない現
象だとわかっていながら知れば知るほど溺れていく。

 佳菜子は佳代子を、佳代子は佳菜子を、嫉妬し、
敵対し、憎悪の対象としていくだろう。ミルはもち
ろん察していた。そうしないために必要なのは神の
ごとき絶対的な君臨。おまえたちは二人の妻だ、仲
良くしろと命じられれば、憎悪さえも慈愛に変わる
無条件の隷属。
 そのためにミルは、永遠に消えない縄目を描く作
業にかかる。姉妹の豊かな尻肉に永遠に消えない焼
き印を押していく。絵の具を吸わない絵筆の力。色
の代わりに性器から流れ出す愛液を吸わせた細い丸
筆、あるいは平筆が描き上げるマゾ化粧。
 亀甲縄。乳房を絞り出し、タテ縄が常に性器に食
い込む苦しい縄目。白い尻には刺青の下絵を描くよ
うに愛液を吸わせた筆が走る。
 佳菜子の愛液で佳代子を描き、佳代子の愛液で佳
菜子を描く。そのことで愛を共有できるマゾ牝に仕
上げていく。

 妹の佳代子は実家に住んで仕事もある。オフィス
にいて何喰わぬ顔で働きながらも服の下は亀甲縛り。
縄酔いを感じながらミルのことばかりを考えて日々
をすごす。
 姉の佳菜子は半同棲。ミルのアトリエにも助手の
ように付き従うが、彼女もまた服の下には奴隷縛り。
熱く甘い息を吐きながら、性器に食い込む縄の愛を
感じ、妹ともども、許されて縄が解かれ、主の愛を
甘受することだけを夢見てすごす。

「舌を出せ」
「はい、ご主人様」
「佳菜子の舌は佳代子の愛液が好物だ。体から出る
ものなら経血でさえも美味。排泄物も喜んで口にす
る」
「はい!」
「佳代子もそうだぞ、佳菜子の肉体のすべてが美味。
この世に一人しかいない同性の恋人だ」
「恋人?」
「二人とも聞け。おまえたちは恋人同士。どちらが
欠けても俺は悲しい。主を悲しませる奴隷などに意
味はない。主を癒やすためだけに二人はいる。であ
るなら姉と妹は恋人同士であるべきだ」

 佳菜子も佳代子も、ミルの言う意味を理解した。
愛し合う女同士として俺に向かえということだ。

 最後にミルは、勃起してもちっぽけなペニスを姉
妹に握らせて射精に至る奉仕を求めた。
 白い絵皿に受けた白い精液。乾いた丸筆に精液を
吸わせ、佳菜子と佳代子の姉妹を寝かせて、その白
い腹に子宮の絵を描いていった。
 姉妹は裸身を並べて描かれながら互いに顔を見合
わせた。

「さあ、これでいいだろう。天使を宿す袋を描いた。
たったいま、おまえたちは女神となった。二人の女
神を思慕する男の喜びをおまえたちが俺にくれた」

 涙があふれた。姉妹は抱き合い、互いの愛液を舐
めとって、二人揃って口移しで、インキュバス・ミルに
飲ませていった。

女装画家ミルの女体修復(十二話)

 姉妹でもつれ合い、壊れたように蜜を垂らし続け
る姉の性器を妹の佳代子が舐め上げて、性欲を制御
できなくなった妹の淫水を姉の佳菜子がすすり飲む。
 真っ白な姉妹の女体には見えない鞭痕が確かにあ
って、二人の奴隷は主の意のままに互いを愛し求め
合う。
 姉妹二人で、朦朧とする意識の中で四つん這いに
尻を上げ、画家ミルの手にする細筆で、濡れそぼっ
てヌラめく陰唇も、固くしこり勃って包皮を飛び出
すクリトリスも、羞恥に引き攣るように体の中へと
出入りする糞門までも、マゾの性画に書き替えられ
ていく。
 おおうおおうと姉は尻を振ってよがり悶え、ンふ
ンふと妹が甘く喘いで乳房を揺らす。

「浣腸に便をひり出すマゾのアナル」
「はい」
「フィストさえも受け入れる淫らな牝穴」
「はい」
 姉妹はミルの声に呼応するように、たったいま舐
め合った熟れた性器からじぶじぶとめどなく蜜を垂
らしてマゾ牝の悦びに震えている。
 けれども妹の佳代子は横目に姉を睨んでいた。姉
だけが半同棲。結婚するつもりでいたし、どのみち
独り暮らしだったから通いつめて寄り添って暮らし
ている。
 妹の佳代子は実家を出る言い訳が見当たらない。
ミルに溺れていけばいくほど不平等が許せなくなる。
 ミルという美しいご主人様に付き従う二人のマゾ
牝のはずが、姉だけがいい思いをしているようで許
せない。
 奪ってやりたい。相手が姉だからこそ引き下がる
と負けを認めることになる。

 口惜しさを叫ぶように妹は絵筆で性器を描かれな
がら吠えるように達していく。
 姉の佳菜子は、女同士、妹の壮絶なアクメの声に
ミルへの想いを嗅ぎとって、勝ち誇ったように甘く
啼いて達していく。
「よろしい、膝で立って手は後ろ」
 姉妹二人で奴隷のポーズ。絵筆が二人の手首を縛
るように縄を描き、そしたらそのとたん、見えない
縄に手首が縛られて動かせない。
 マイクロミニをミルは脱ぎ、黒いパンティの前を
膨らませて立ちはだかる。姉妹は手の使えない奴隷
の女体ですがりつき、姉と妹、二人の口で女王様の
パンティの腰を噛み、薄い布地をずり降ろして下げ
ていく。
 勃起しても小さなペニスが跳ね上がる。背丈もな
い華奢な男の体は、大柄な女二人の豊かさにくらべ
て子供のよう。

 成熟しきった女二人が少年のようなミルにすがる。
 可愛いらしい。コンプレックスを抱えて生きてき
たご主人様が可哀想。女の体の奥底から母性が湧き
立って暴走しはじめ、そうなると二人はますますマ
ゾ牝となって身を捧げたくなっていく。
 硬くなっても大人の親指ほどしかない欲情。手の
使えない姉の佳菜子が倒れこむように脚の間に潜り
込み、丸まった小さな睾丸を吸い込んで口の中でコ
ロコロ転がす。
 手の使えない妹の佳代子が倒れこむようにして、
生意気に上を向くペニスの裏を舐め上げて、亀頭を
含み、肉棒をほおばりながら、下から睾丸を舐め上
げる姉と目を合わせて微笑み合った。

 主の男性器から二人一緒に一瞬離れ、姉妹は深い
キスをかわして微笑み合って、次には妹が睾丸を、
姉がペニスを舐めつくす。
 絵筆の魔力が手を封じる。縛られてもいないのに
両手が腰のところに組まれたまま動かせない。
 スカートを脱ぎパンティを取り払ったミルは、女
王様からご主人様へと変化する。美しい女性から凛
々しい少年へと確かに変化して君臨する。
 左右の手に髪をつかまれて床へと押し付けられた
とき、手の使えない全裸の姉妹は、身を寄せ合って
顔を床に擦り付けて、膝を立て、尻を上げているし
かない。

 鞭打たれて縛られて奉仕した、その褒美のペニス
は、姉の膣に突き立った。そのとき同時に女の細指
のような手の指が妹の膣に突き入れられた。
「おおう! ご主人様ぁ、あっあっ! 嬉しいです」
「ああンああン、ご主人様ぁ! もっと、もっとく
ださいぃ!」
 女二人の二重奏。ペニスで突いて指で突いて、姉
妹がわなわな震えてきたとき、ペニスも手も同時に
抜かれて、ペニスが妹へ、指が姉へと没していく。
「よし、縄はもういい、ほどいてやるぞ」
「はい!」
 一言で手は動き、二人揃って手をついてドッグポ
ーズ。並ぶ膣にペニスと指をヌチャヌチャと突き立
てられながら、姉妹は身を寄せ合ってキスをかわし、
一声吠え合い、ぐにゃりと裸身を崩して倒れていっ
た。

 女二人が抱き合うように崩れている。姉妹だった
二人が揃ってミルの妻となった瞬間だった。

女装画家ミルの女体修復(十一話)

 姉の佳菜子は169センチでDカップ。グラマー
と言えただろう。妹の佳代子でも165センチあっ
てCサイズアップ。大柄でのびやかな肢体。その
姉妹が小柄なミルを囲むと二人の女王が奴隷の小
男を虐めているようにしか見えなかっただろう。

 しかし逆だ。ミルは育たない自分の体が哀しく、
性器が小さすぎることにコンプレックスを感じ、
若い頃には男性失格と思い込んで苦しんだ時期が
ある。鏡を覗いた。男としては整いすぎた美形。
そうか、この美を活かせばいい。
 女の下着を身につけてみたことも、下着が美し
いという美的な観点よりも、唯一何でも話せた友
だちがニューハーフであったこと。違う生き方が
ある。心も体も男のまま姿だけを女にできる。画
家という自由な環境もそれを許した。常識的では
ない個性の許される境遇だ。

 その中でもともとあった不思議な力が開花した。
霊的な力も多少はあったのかも知れないが、ミル
の力は心理に喰い込んで人を洗脳する、ある意味、
手品的なトリックと言ったほうがよかっただろう。
 絵筆が姉妹の女体を幾度描き直したところでミ
ルへの想いはつのるだけ。嫌な過去や忘れたい男
を消し去ったのならプラスの感情も消えてしまう
はず。矛盾する。むしろミル好みの女の姿に描き
直されていくようだった。

 小さな体に生まれついたことへの哀しみが攻撃
性へと変化して、嫌な自分をなだめるようにやさ
しい女の姿を装い、絵を描いてきたミル。ミルは
そのことには触れなかったが、姉妹二人は、男性
としては幸せでないのかも知れない体にじっと向
き合うミルの横顔に自分の居場所を見つけていく。
 母性が転化した情愛は恋愛よりも強い。姉は体
は大きくても弱い心に苦しんできたし、妹も恋愛
への打算がチラついたことへの呵責に苦しんでい
た。ぐらつく女心がミルに見つめられると揺れが
おさまり、苦悩を吸い取られたように楽になる。
 ミルの強さを知れば知るほど二人はミルに傾い
ていく。
 不思議な力で救ってくれるミルに対して崇拝に
も似た想いが生まれる。
 限りなくマゾヒズムに近く、ミルからなら限り
なくサディズムに近い、互いに心地いい主従の間
柄に育っていく。

 姉の佳菜子はミルの住まいに入り浸りになって
いく。ミルはアトリエではなくマンションに住ん
でいた。佳菜子はもとより単身暮らしだったから、
ごく自然に同棲生活になっていく。
 妹の佳代子は穏やかではいられない。実家であ
り仕事も持って、週末ぐらいしか時間が取れない。
 三角関係になりつつある。そしてその程度の危
険を予見できないミルではなかった。
 二人のためにミルは絵を一枚、描いて見せた。
それが姉妹の運命を決定づけるものとなる。
 鉛筆描きのデザインスケッチのようなもの。ポ
イント以外は省略されて、騙し絵のように白い紙
から二人の女が浮き上がる。
 
 ミニスカートからスラリとのびた細い脚が構図
の中心に立っている。パンプスを履いていた。
 二人の女はどちらも全裸で後ろ手に縛られて、
二人ともうっとりと目を閉じて中央に立つ女の靴
先にキスをしている。君臨する女王にかしずく奴
隷が二人。佳菜子も佳代子も心を抉られたようで
息をのんで見つめていた。
 足元に丸くなる奴隷の体はクロッキーのような
線画なのだが、うっとり閉じた目と靴先に寄せる
唇だけが描き込まれてリアル。
「愛液を塗り込めば完成する。オナニーするんだ」
 ミルの声に憑かれたように姉妹は脚を開き、羞
恥に心を震わせながら性器を弄る。
 佳菜子の愛液が筆に吸われて絵の中の奴隷に塗
られ、佳代子の愛液が別の筆に吸われて絵の中に
塗られていく。

「二人とも立ちなさい」

 白くのびやかな姉妹のヌード。ミルは乾いた細筆
で二人の尻や背や、乳房や腹に見えない線を描いて
いく。
「これでいいだろう、奴隷らしい姿になった」
 二人は顔を見合わせた。意味が解せない。
「鞭痕だ。姉に嫉妬した罰、妹に嫉妬した罰。おま
えたちは等しく僕の愛した女」

 愛液を塗り込んで生命を与えた絵の中の奴隷の心
が全裸の姉妹に乗り移り、二人はミルに平伏した。
 体中に痛みを感じる。描かれた鞭痕が痛みだす。
「さあ抱き合って許し合え。二度と鞭打たせるよう
なことをしてはいけないよ」
 ミルの心が沁みてくる。女王と奴隷の関係がこれ
ほど心地よく、安堵に満ちたものだとは思わなかっ
た。決定的な隷属関係ができてしまったと二人は感
じた。
 日常の些末の入り込む余地のない幻想的なSM関
係。姉妹は操り人形とされていた。

女装画家ミルの女体修復(十話)

 三ヶ月が早かったですね。私がミルさんを訪ね
たときは春だったのに、梅雨が過ぎて真夏。うだ
るような暑さです。朝職場に着いたときすでにパ
ンティまでが湿っている。不快指数最悪といった
感じ。それなのに姉は日々をすっきり過ごしてい
ます。
 あれから姉はほとんど週イチペースで通ってい
る。そのたび全裸になって性器までを描き直して
もらってる。天空から赤ちゃんが降りてくる絵を
暇さえあれば見つめてる。赤ちゃんを抱くもう一
人の自分を絵に閉じ込めて現実と切り離し、自分
だけが恋愛モードになっている。姉は三十歳にな
りました。私もじきに二十八。姉はいいのよバツ
イチだから。私はそろそろ焦りだす。だから姉が
羨ましくてなりません。
 姉はミルさんにベタベタです。二度も睡眠薬を
あおったことが嘘のように生まれ変わり、恋人気
分で通っている。

 白一色のアトリエに飾ってある女豹になった自
分を見に行く。お尻を上げて這う姿はいかにも淫
らで、ミルさんにアソコを見られていると思うだ
けで濡れるのだとか。性感マッサージじゃあるま
いし、筆先で体中を愛撫されて女の子してるに決
まってます。
 絶対やってる! ベッドの高さもちょうどいい。
姉ぱっくり、彼がインしてピストンしてる。
 ムラムラします。姉とのレズを知ってからどう
いうわけか淫乱ぽくなってしまった。
 孤独なんです。怖いほどの孤独を感じる。新し
い彼とは順調ですよ。彼の下でノビちゃうほど相
性いいの。なのに独りになったとたん心に穴が空
いたように寂しくなる。
 モト彼との五年の記憶を体が覚えていないので
す。嫌いだったわけじゃない。若い頃の恋愛から、
結婚がリアルなものとなって迫ったきたとき、こ
の人でいいのかなと思ってしまった。

 うっとり彼を見つめた眸も、やさしい声を聞い
た耳も、キスに溶けた唇も、乳首を吸われて可愛
くてならなかった思い出も、蘇って来ないんだも
の。五年の空白ができてしまった。そのくせ若い
勃起に犯された性器だけは彼を覚えているんです。
 次の人が来てくれる。それはそれで嬉しいけれ
ど、モト彼の勃起も逞しかったわ。女を描き直す
恐ろしさを思い知った。そうなんですよ、性器だ
けを描き直してもらってなかった。記憶の消し方
が中途半端なのでしょうか?
 別れるときの痛みや苦しみは、やがて記憶とな
って心をあたためてくれるんですね。別れるから
って思い出までを捨て去ってリセットというわけ
にはいかないようです。
「落ち込んでるよ」
「そんなに?」
「可哀想で見てられない、ひっどい女ね」
 共通の女友だちに言われたとき胸が痛むし、だ
からと言って次の人には燃え上がっていくばかり。
 
「ほらね、あのとき念を押したでしょう。描き直
すと二度と元には戻れない。わかりました、もう
一度いらっしゃい。性器を描き直してあげますか
ら」
 週中の水曜日、電話で話していたんです。
「それで姉は? ずいぶん通ってるみたいですけ
ど?」
「週に一、二度、お見えになりますね。そのへん
のこともお会いして」
「はい。では週末に」
 それから二日が飛んで行って土曜日です。猛暑。
空が燃えてる。原宿駅から数分の距離なのにパン
ティまでびっしょりなんです。
 着いてすぐシャワーさせてもらいます。黒い部
屋の白いベッドに横になり、顔を覆ってセックス
ポーズ。細い筆先が来ると覚悟した直後、爪先で
思い切りクリトリスを弾かれた。

「ンっふ!」
 いきなりでビクンとしたとき膣からオイルがた
らりと漏れた。
「悪い女だ。苦しんで当然です」
 心を抉る言葉。それなのにアソコは洪水なんだ
から。
「モト彼とアナルセックスは?」
 ああ燃える。訊かないでくださいよ。恥ずかし
くて恥ずかしくてアソコが火のよう。体中が火照
ってる。
「あります何度も」
「うむ。では四つん這いかな。胸を着けてお尻を
上げて膝を開く」
 姉の絵と同じ女豹のポーズ。絵の具をつけない
ふわふわの筆先がアナルの周りから這いまわる。
 声を噛んで、だけど体中が震えだしてたまらな
い。イキそう。腰がくねくね揺れてしまう。
 筆先がアナルの側から性器を描く。
「あン! はぁぁーっ!」
「ふふふ、かまいませんよ、描かれることを楽し
んで。佳菜子なんて悶え狂って楽しんでる」
 でしょうね。それだけですむはずないわ。すっ
きり満たされた顔つきを見てればわかります。

「プロポーズされました」
「姉にですか?」
「そう。浮気しても何してもいいから、そばにい
たいってすがりつかれて。愛しています結婚して
って」
「ご迷惑では?」
「とんでもない。受けようと思ってますよ。それ
もあって佳代子にも会いたかったんだ」
 まさか。やられたと思いましたね。
 このときになって、私だってミルさんが好きだ
ったんだと思い知る。ヒールを脱いで169センチ。
10センチヒールを穿いてやっと同じ背丈。ゾクっ
とするほどいい女の彼女(かれじょ)。女装する
旦那ってどんなんだろうと思いましたが、姉の目
は確かだとも感じます。
「さあ、おしまい」
 いつの間に。感じていたのが、あまりの驚きで
飛んでしまった。
「そうなると佳代子は妹ってことになる。可愛い
よ佳代子」

 いきなりでした。いきなり四つん這いのお尻の
底にミルさんのキスが来る。きゃぁ!叫びます。
一瞬にしてピークがやってくる。
 このとき私は、これをきっかけにミルさんと姉
と私の三人の同棲生活になっていくなんて想像も
していない。それって3P?

女装画家ミルの女体修復(九話)

 ずっと背の高い佳菜子が小柄なミルを抱いてい
る。妹にはそう見えていたのだったが、そのミル
にちょっと髪を撫でられて佳菜子は膝から崩れる
ようにミルの足下に膝をつき、ミルの細い腰を抱
き締めてすがりつく。それは圧倒的な男に出会っ
て身を捧げる女の姿そのものだった。
 うっとりと泣き濡れた目を閉じて、腰を抱き、
黒いスカートにくるまれた小さな尻を「あぁぁあ
ぁぁ」と熱い息を吐きながら撫でまわし、女性の
ような男性の股間に頬をすり寄せて甘えている。
 あまりのことに佳代子は声さえなく見守ってい
るしかなかった。
「お立ち」
「はい!」
 あべこべの、またあべこべ。ミルに一言言われ
た佳菜子は奴隷のように男に従う。そのときの姉
の眸は少しもミルを逸れてはいなく、ただまっす
ぐ見つめていた。

 ミルは姉妹を黒い部屋へと導いた。黒一色でそ
こだけが白いレザーのベッド。診察台そのままの
ベッドの傍らに姉妹に背を向けて立ったミルは、
スカートに手をかけてブラウスに手をかけて、鮮
やかなパープルのブラとパンティ。
「子供だった頃の僕はあまり人が好きではなかっ
た。絵が好きで没頭していたものですよ」
 ねえ何よこれ? どういうこと? と妹は思い、
姉の腕を引いたのだったが、佳菜子は白く細く美
しい男の後ろ姿に見とれていた。
 ブラが消えパンティが取り払われて、ミルは少
年のような全裸を晒す。裸になると男性だった。
尻は小さく、腰は細く、なのにそれなりに逆三角
形の背中。最後にミルはカツラを外す。ごくあた
りまえの長めの黒髪。
「これが僕です」
 男らしいロートーンボイス。ゆっくり振り向く
ミル。胸はない。豊胸はしていない。女装するこ
とだけが人とは違う男性の姿だった。

 ミルの顔色がうっすら赤い。恥ずかしくてなら
ないようだ。妹が姉の横顔をちらりと見ると、佳
菜子は妹の存在などないように溶けた眸でミルを
見つめる。
 性器が小さい。萎えていると女性の手の指。睾
丸も小さく丸まっていて下腹の毛も男にしては薄
すぎる。
「発育不全じゃないんですよ。機能はちゃんとし
てるけど、でもね。ふふふ」
 弱く笑うミル。
「絵と引き換えに覚えておいてほしいんです。佳
菜子にも、それから佳代子にも」
 絵の中の女たちを見つめている。世の中のどこ
かにいる女たちがミルの体を心に刻んで生きてい
る。このとき佳代子は、ミルがなぜ知られていく
のかを思い知った。愛でできたミル。女たちはイ
カレてしまう。

 佳菜子は声もなく一歩また一歩と歩み寄り、す
っと身を沈めてミルの小さな尻を抱き、萎えたミ
ルに頬をすり寄せ、涙をいっぱいに溜めた眸でミ
ルを見上げる。
 佳代子は動けない。女の愛の本質を見せられた
ようでもあり、怖くなって動けない。打算があっ
てモト彼を捨ててしまった。心が痛くて動けない。
 ミルの小さな手が佳菜子の頬をそっと撫で、そ
の手に佳菜子はうっとり目を閉じほおずりすると、
萎えたミルにキスを捧げてほおばった。
 大きくなってもミルは小柄だ。
「むぅぅ、嬉しいよ佳菜子」
 佳菜子は身悶えするように肩を揺らして嬉しさ
を表現している。ミルは佳菜子をそっと立たせる
と、少年のように美しい身をベッドに静かに横た
えた。
 佳菜子は妹にちょっと横目をなげて恥ずかしそ
うに脱ぎはじめる。黒い下着を取り払った佳菜子
だったが、パンティを脱ぐときに裏地が糸を引い
て濡れていたことを妹は見逃さない。

 白い女が白い男にかぶさって、抱き合ってキス
をかわす。深いキス。ベッドが狭く、ミルをまた
いでいないと横に寄り添うことができない。
 真後ろから姉のヌラヌラの淫らな性器を凝視す
る妹。
「佳代子もおいで、僕を抱いて、さあ」
 女の言葉だと佳代子は思う。この人は私たち姉
妹にすべてを捧げるつもりだわ。なんという人だ
ろうと佳代子も震える心を感じていた。
 ミルは心地よく勃起して、佳菜子の口に可愛が
られて可愛い声を上げていた。男性の可愛い声?
 混乱してしまうのだったが、これってレズ?
 ミルって女?
 あたしたちは何?
 何なのよ、これ?
 
「きゃぁぁーっ」
 佳代子はベッドで飛び起きた。夢を見ていた。
姉がミルを膣に迎え、私はミルをまたいで舐めら
れながら姉と抱き合い、舌を絡めてキスしていた。
 そのときの情景がふわふわとした白い霧にくる
まれるように現れて、あのとき私も姉も悲鳴のよ
うな声を上げて果ててしまった。
 ハッとして手をやるとパンティの奥底がヌラヌ
ラしている。夢の中のセックス? 思考が歪んで
混乱していた。
「カヨ? ねえ佳代子ったら!」
「え!」
 はぁぁぁ夢だったのか。強張った体から力が抜
けていくのを感じていた。

「素敵でしょ彼って?」
「ええ素敵」
「たまらないわ、身悶えするほど好き、どうされ
てもいいと思う」
 佳菜子はベッドの横のテーブルに立てかけた水
彩画をとろんと見ていた。
「え? その絵どうしたの?」
「はー? 何言ってるの大丈夫? 今日もらいに
行ったんじゃない。あなたもあたしも夢の中で果
てていた。ふふふ、カヨなんて『きゃぁぁーっ』
だったわよ。ガタガタ震えてノビちゃったくせに」
「あ、あそ? ねえここは?」
「はー? おいおい、あなたの部屋よ。二人とも
なんだかもうふらふらであなたのお部屋に来たん
でしょ。覚えてないんだ?」

 覚えてなかった。佳代子はマジと言うように頭
を振って体を起こす。姉と二人のセミダブル。二
人ともにパンティだけの姿で寄り添っていた。
「すごい絵ね」と、妹は姉の背中に身を寄せて肩
越しに絵を見ていた。
「私の赤ちゃんが生きてるわ」
「うん」
「母親の私も生涯絵の中で生きている」
「うん」
「彼が好き」
「うん」
「愛してるの」
「うん。姉さん、あたしヘンなの。濡れてるの。
身震いするほど欲しくて欲しくてならないの」
「うん」
 身をずらして微笑む姉の手が、妹の裸身からパ
ンティを奪っていった。

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