快感小説

一幕 両替商 若妻お郁(その三話)

 ワルの親玉、勘定奉行、茶羅銭貯男(ちゃらせんためお)とそ
の手下どもは懲らしめた。しかしなすべきことはまだあった。
 可哀想なお郁のバカ亭主を絞め上げてやらねばならぬ。千両に
つき百両のニセ金を混ぜたってぇことは、その分の本物小判が消
えたってぇことになる。行く先はもちろん茶羅銭だろうが全部が
全部じゃあるめいよ。お郁の亭主がちょろまかした分がきっとあ
らぁな。悪事で稼いだものは吐き出させて灸をすえる。でなきゃ
ぁ身をもって亭主に尽くしたお郁が浮かばれねえ。

 だがしかし、ここに一つの問題がある。あんとき大川の橋のた
もとへ、カラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロと
女下駄を鳴らして…ええい、ちょっと待て。

 だあぁ、もうーっ! だらだら書くなって、へぼ作家!
 なんだと岡崎潤? …知らねえな。

 で何だっけ? あ、そうそう、あんときのお婆はきっとお郁の
姑に違いねえ。嫁の身投げを聞いてすっ飛んできやがった。そん
なお婆のいる家へ踏み込んで抜刀するのはいかがなものか。おど
ろ木ももの木、心臓マヒでぽっくりよ。
 そこで俺は女房のお郁に知恵を授けた。亭主を長屋に連れて来
い。俺んちの地下ってぇのは早ぇえ話が、えすえむるーむよ。
 お郁さんもお実ちゃんも、それいいかもってメチャ興奮。お実
ちゃんたら、もともとエスっぽいおなごゆえ、腕が鳴るなり乗馬
鞭。
 で、のこのこやってきやがった。こんときはまだ、あの茶羅銭
が成敗されたなどとは思っちゃいねえ。虎の威を借るちんちくり
んのクセしやがって、態度のデカいことったらありゃしねえ。

「あー、もし。浅草の両替商、銀行屋(ぎんゆきや)にございま
すが、御用とか?」
「おう、入れや」
「はいはい、されどちと忙しい身ゆえ手短にお願いいたしやす」
 穴の開いた障子戸がガタピシなかなか動かねえ。入った亭主は
中を見渡し、ふふんと鼻で笑いやがった。そんとき中には、俺と、
みにすか小袖のお実ちゃん。お実ちゃんは素知らぬ顔をしていた
が、嘘のつけないお郁さんは、亭主の後ろでいまにも吹き出しそ
うだった。

「ちと地下を見てもらいてえのさ」
「地下でございますか? そのようなところがこのボロクソ長屋
に…あ、いやいや、古いものを大切になされるお宅にござりまし
ょうやら?」
「ちぇっ。いいから見てくれ。じつはな、ここはもともと忍び屋
敷だったんだがよ。地下を片付けてたら千両箱が出てきやがった」
「ええー! あーあーあー、そうでございますか、はーはーはー、
そういうことなら銀行屋は目がルンルン。おどろ木ももの木さん
しょの粉でウナギが美味い? うははは」
「何言ってやんでい、落語タレてんじゃねぇや」

 押入れのドンデン返しから、お実ちゃんが先に降り、亭主にお
郁、最後に俺だ。俺は刀を手にしていた。
「おい銀行屋、てめえの悪だくみで女房が身投げしたんだぜ、わ
かってんだろうな! 茶羅銭一味はゆんべ俺が斬り捨てた。性戯
の味方、伊香瀬安範とは俺のことよ!」
「いよっ、逝かせ屋!」
「おおぅ!」
 あのなお実ちゃん、歌舞伎じゃねえんだからよ…とは思ったが、
次の一瞬、電光石火よ!

 柳生新陰流、免許再交付の俺の刃が、帯を断ち着物を断ち、褌
までを布切れにしちまって、亭主なんぞは丸裸。お実ちゃんと女
房のお郁は着物姿よ、しーえふえぬえむ!
 力づくで押さえられ、丸太の泣き柱を抱かされて縛られたのさ。
お実ちゃんたら、ぶいさいんで決めのぽーず。
「よっ、クリちゃん!」
 パコーンと、南蛮渡りの、すりっぱイッパツ、頭くらくら。
「その言い方やめいっ! あたしはお実ちゃんです! 栗とリス
ではありませぬ!」

 あのな、へぼ作家、なんだかなー…作家やめたら?

「さあお郁さん、しこたま仕置だよ、心底懲りるまでねっ!」
 お実ちゃんが南蛮渡りの、乗馬鞭をお郁さんに握らせた。そし
たらそのとたん、あれほどおしとやかだった女房殿が豹変したぜ。

「あんたのせいであたし裸でマワされたのよ、くるくると。口惜
しくて悲しくて身投げしたのよ…泣いちゃうから…オォイ、わか
っとんのかワレぃコラぁ! しばき倒すぞ、アホンダラー!」

 ぉえ?
 俺とお実ちゃんが抱き合っちゃった。女は怖いわ、うん怖い。

「尻出せ、尻ぃ! いざ覚悟ぉーっ!」
 ビッシィィーッ!
「ギャィィーン!」
 手加減なしだぜ。マジ激怒。しかもだよ乗馬鞭じゃ飽きたらず、
南蛮渡りの、一本鞭に持ち替えやがった。
「もっと欲しいか! 嫌ならちょろまかした金よこしな!」
 ピッシィィーッ!
「キャィィィーン!」
「あっはっは、これは楽しかおもしろか! あっはっは!」

 そんでまあ百打はこえたね。亭主ボロ布。
 しかし気持ちはよっくわかる。お郁の手から一本鞭を受け取っ
て、俺はお実ちゃんにニヤリと笑った。
「尻に『お郁命』と焼き印でもしてやんな。そうすりゃ二度とし
ねえだろうぜ」
「わーん、ごめんよごめんよ、わーんわーんわーんわーんわーん
わーんわーんわーんわーん」

 ダラダラ泣かせるなよな、いっぺん斬るぞ、へぼ作家。

 そんな言葉も脅しの一つ。そこまでやっちゃぁおしめえよ。
「お郁、そこに立って尻めくれ。尻の穴でも舐めさせてやるんだ
な」
 お郁さん、両手で壁ドン。着物をまくって可愛い尻を出しやが
る。亭主もまた可愛いもんで、泣きながら女房の尻に顔を突っ込
み舐めてやがった。お郁も亭主が可愛いのさ。尻の穴まで舐めて
くれる奴隷亭主を見下ろして、やさしい顔に戻っていたね。
 お実ちゃんが、ちょんまげつかんで尻の奥へと頭を押して遊ん
でやがる。女上位のなんとも穏やかな虐待だ。
「おい亭主、身に沁みたなら、これから朝に夕に舐めてやりな。
心底許されるまで、みすとれすおいくおくさまと呼ぶんだぜ」
「みすとれ…すおいくいく? はー?」
「いいんだいいんだ、南蛮渡りの言い方を無理からひらがなにす
るからわかりにくいのさ。ほんとにてめえはへぼ作家」 

 一件落着。二人仲良く寄り添って帰って行ったぜ。うんうん。

一幕 両替商 若妻お郁(その二話)

 さて地下だ。お郁の背中を俺が押すとお郁は観念したらしい。
番頭におまえはいいから先にお帰りと言うんだよ。この期に及ん
で潔いと思ったね。事情はわかった。しかしまだ言ってねえこと
があるはずだ。ご都合主義の依頼は受けねえ俺だから。

 押入れの下の板壁をドンと押したらドンデン返しよ。地下への
口が開くというわけ。階段を降りてしまえば蝋燭照明ゆらゆら揺
らぐ。可哀想にお郁のヤツは胸に手をやり、あたりを見回し、カ
タまってたぜ。
「ここは…いかにしてこのような?」
「見た目こそボロ長屋だがな、かつては甲賀のくノ一、マン毛の
お貞(さだ)って、それは恐ろしい女の棲家だったんだ」
 そんとき階段から、いまにも見えそうな、みにすか小袖が降り
てきやがる。

「幻魔のお貞だよ! ゲ・ン・マ! どこぞの世界にマン毛を名
乗るくノ一なんぞいるんかね! なんでもかんでもいやらしく言
うのはおよし! おぅおぅ旦那よ! メシ作ってやんないぞっ!」
「うーーー。えらいすまぬこって」
「オシっ許したる! あははは!」
 まあ、ぽんぽんぽーんと言うわけさ。お実ちゃんは、たかが十
七、小娘なんだが、さすが江戸っ子、キップがいいぜ。
 往復キップだ、ああ言や、こう言う。

 そんでまあ、俺が怖い顔を創り直してお郁を壁際まで追い詰め
て、お郁の背がドン、俺の左手がお郁を追いかけ、壁ドンよ。
 胸に手を組み上目づかいで怯えていたが、まんざらでもないよ
うに「ンふ」と笑う。お実ちゃんが俺の威厳を潰してまった。

「見な」と俺が指差してく。真ん中で天井支える太い丸太の柱か
らよ。
「泣き柱だよ。裸で抱かされ、尻の皮が剥けるまで鞭だからね」
 お実ちゃんの解説付きよ。南蛮渡りの、ぱいぷ椅子に腰掛けて
足でも組みゃぁ、尻ぎりぎりまで白い太腿。手の中で南蛮渡りの
乗馬鞭をぴしゃぴしゃしてら。
 さて次に俺が指差す。すかさず、お実ちゃん解説が。
「南蛮渡りの、でるどーってのが付いてる椅子でね。アソコにズ
ブリ! アハンだよっ!」
 さてさて次だ。
「南蛮渡りの、どくたー椅子だよ。両足それぞれ縛られて、お股
ぱっくりご開帳って寸法さっ」
 そんで最後に俺が壁一面を見渡した。

「バラ鞭に一本鞭、縄そのほか、泣かせるものならなんでもある
よっ。いえね、ついこないだ渡海屋ってぇワルがいてさ、抜け荷
しやがったもんを旦那がかっぱらって来たってわけなんだ」
 かっぱらった?
 おいっ、人聞きの悪いこと言うもんじゃねえぜ、とは思ったが、
そこで俺が気合いを込めて壁ドンふたたび。ドーンだぜ。安普請
でよく響く。
「おめえさん、まだ話してねえことがあるはずだ。ご亭主の悪事
はわかった。けどそれでなんでおまえさんが身投げする? 合点
がいかねえ。合点がいかなかや合体できねえ、それが男と女って
ぇもんだろう。脱ぎな! 素っ裸ぜよ!」

 そんときお郁、震えていたね。悪い女じゃねえようだ。
 帯を解き、着物をはだけりゃ、ぱっしょんれっどの腰巻きだい。
 顔色なんぞ白くして、そいでまた綺麗なお乳をぷるぷる震わせ
素っ裸。乳首も勃って美しいぜよお郁さん。でるたーの三角黒毛
がたまらねえ。
「うむ、素直でいいぜ、そこへ寝な」
「これはなんと言うものでござりましょうやら? なにやらふか
ふかしておりますが?」
「南蛮渡りの、ダブルなべっどーと言うもんよ」
「べっどーでございますか?」
「南蛮人どもの布団だよ、さあ寝な!」
 背中をぽーんと突いてやる。
「あーれぇぇーっ」
 ヨヨとしなだれ崩れたうつぶせ裸心に俺がのっかり、腰のくび
れにそっと手をやる。腰痛はすべての人の宿命でもあり、まずは
そこから。押せばアソコの泉湧くってね。

「ぁはぁぁ、心地いいですぅ伊香瀬様ぁ…はぁぁぁ」
 甘ったるい、いい吐息。そんときじつは俺の息子がボッキンキ
ンで痛ぇえぐれぇよ。
「綺麗だぜ。なのになぜだ? なぜどうしてホワイだが、死のう
としやがった? もったいねえぜ、これだけの尻してやがって」
 パシンと尻っぺた叩いてやると、お肉プルプル…ああきゅーと。
「じつは…」
「うむ?」
 そんとき俺は尻をモミモミ。
「ンっふ…じつを申しますと、ンっふ…勘定奉行の茶羅銭様(ち
ゃらせん)の思惑でウチの人がニセ金を…それでお許しくださる
ようお願いにあがりましたところ…」
「うむ?」
「わたくしはもう汚されてしまいました」
「なんだと…茶羅銭にか?」
「そのあと配下のお侍衆にも下げ渡されて…後ろから前から…上
の口から、お尻の穴まで…」
 俺は裸身をそっと登り、肩を揉み上げながら言ってやったぜ。
「汚れちゃいねえ。それどころか亭主のために懸命だった。おめ
えさんはいい女だ、そうとも綺麗ないい女だ」
「伊香瀬様…ほんとに汚れてはいませんでしょうか…」

 なんたる健気。なんたるいじらしさ。
 肩から首筋、背から腰から尻まで揉んで、真っ白な太腿をぷる
ぷるしてやり、ふくらはぎをモーミモミ。
「綺麗だ…心が真っ白で、アソコの毛が真っ黒で…綺麗だぜ」
「はぃ。はぁぁぁ心地いいですぅ伊香瀬様ぁ…」
「うんうん、いつでもおいで、こうして揉んでやるからよ」
「ぁぃ…ンふ…はぁぁ…ぁ…Z…」
「ん?」
「ZZ、ZZZZZZっ!」

「ちぇっ、寝ちゃったがね」
「うぷぷ」
 お実ちゃんがこらえきれずに吹き出しやがって、俺の顔をじと
ーと見やがる。
「寝かせてどうすんだよー」と目の色で言うわけよ。
「そっとしといてやんな、疲れてるのさ可哀想に」
「旦那…やさしいんだもん…旦那が好きさ…」
「後でな。乳揉んで尻揉んで、舐めたおして、逝かせてアハン」
 すると、パコーン!
 南蛮渡りの、すりっぱだ。そのすいーとすぽっとで、頭イッパ
ツぶん殴られたさ。

『ああそんな御無体な…嫌ぁぁ…どうぞもうお許しを…』
「…可哀想にうなされてやがるぜ」
「…許せないね」
「…あたぼうよ、今宵まとめて叩っ斬ってやる!」
『あぁん…もう嫌ぁぁん…ぁぁん、もっとぉ…もっとシテ…一本
知ったら二本も五本も一緒なこと…ンふぅ』

 ぉえ?
 女の正体、見た気がしたぜ。


 その夜よ!
 性戯の味方、伊香瀬安範、白の着流し、紫頭巾で見参!

「こらてめえ! 勘定奉行、茶羅銭貯男!(ちゃらせんためお)」
「貴様、何奴! 曲者ぞーっ、者ども出会えーっ!」
「ぞろぞろとしゃらくせえ! 柳生新陰流、免許不携帯、伊香瀬
安範! 女を泣かせる極悪人は許しちゃおけねえ、覚悟せい!」

 おーい演出家、ここでこそ、びーじーえむ!
 ぉえ? 
 初回のすぺしゃるばーじょんにつき、二時間ドラマですー?

一幕 両替商 若妻お郁(その一話)

 カラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロ…。
 もういい。だらだら書くな、へぼ作家。

 女の下駄音が迫ってきたんだ。
 夕刻前のことだった。大川の橋のたもとに人集りができていた。
身投げらしい。ずぶ濡れの若い女がヨヨと崩れていたのだが、助
けられて生きている。カラコロカラコロと女下駄がやってきて俺
を追い抜き、人集りに突っ込みながら言ったのよ。
 しかしま、生きてりゃいいやと素通りしようとしたんだが。行
きつけの小料理屋のちーまま熟女がお誕生日だったから、俺も
急いでいたっていうわけさ。

「イクーっ! ああイクぅーっ!」

「ぉえ? なんですと?」
 そのテの言葉に猫みてえに耳だけ向いたさ。
「あーよかった、よかったよー、お郁ちゃーん」
「ちぇっ…まぎらわしい、ドキンとしたがね」
 そんで横を通るときチラ見した。そしたらこれが三十前のいい
女。川に飛び込み、通りがかった同心ポリスに助けられたってこ
とだった。まさしく水もしたたるいい女。死ななくてよかったぜ。

 さてそんで、その翌日だ。
 深川あたりの路地裏長屋。隣りに越してきやがったお実(さね)
ちゃんが昼餉をつくって持ってきやがる。
 色メク名前だ、お実ちゃん。界隈きっての三味線屋の末娘なん
だがよ、親と喧嘩しちまって勘当されたらしくって。
 ところがどっこい気立てのいい娘でな。花も恥じらう十七で、
おメメぱっちりボンキュッボン。みにすか小袖が似合うのさ。
 どういうわけか俺とウマが合うようで、仲はたいへんよくでき
ました。
「おーおー、焼き飯かい、こりゃ美味そうだ」
「そりゃそうだわ、あたいがこさえたもんだもーん」

 そのときだった。どこぞの番頭らしき中年男がやってきて、破
れた障子の穴から覗くんだ。
「そこにいるのは誰でい?」
「はい! あのう、こちら逝かせ屋アハン様のお宅でしょうか?」
「うははは」と、お実ちゃんがゲラゲラ笑った。
 戸が開いて入ってきやがる。
「そうだけどさ、この人、伊香瀬の旦那って言うんだよ。どこの
どいつが言ったのか、逝かせ屋になっちっまったけどね。伊香瀬
安範(やすのり)様ってんだ。安範を音読みしたらアハンでしょ」
 事細かに説明するこたぁねえだろうとは思ったが、お実ちゃん
はしっかりしてるぜ。態度もデカいが尻もデカい。

 そしたらよ、その番頭の後ろから、いい女が入ってきやがる。
 ひと目でわかった。ああイクぅーっ。大川の身投げ女さ。
 名はお郁。イキそうな名前だもん、いっぺん聞いたら忘れねえ。
 黒髪もちゃんと結い上げ、着物もきっちり着こなして、見るか
らにうまそうだったぜ焼き飯よりも。
 浅草の両替商、銀行屋(ぎんゆきや)の若妻、お郁。二十九と
二月あまり。乳まわり腰まわり尻まわりと、お実ちゃんが南蛮渡
りの、かるてーに書き込んでいくんだわ。

「何だと、ニセ金を?」
「そうなのです、千両箱につき百両のニセ金を混ぜて流しており」
「10ぱーせんとかい」
「てん? はい?」
 首を傾げて微笑むお郁だったのだが、それがまたたまらねえ。
「いいんだいいんだ南蛮渡りの方言よ。それよりおめえさん身投
げしたのかい? じつはあの場に居合わせちまってよ」
 可哀想に悲しそうな顔をしやがる。悲しそうでも、いい女はい
い女。だからよけいに可哀想でいい女。
「おめえさんみてえないい女が死んじゃいけねえな。しっかりし
ろや、いい子だいい子だ」
 引き寄せて、押し倒して、尻でも撫でて抱いてやったぜ。

 旦那の悪さを叱ってやってほしいと言う。身に沁みるまで思い
知らせてやりてえらしい。いいカミさんだ、見過ごせねえや。
「ほれよ、これ使いな」
「これは何と言うものでござりましょうやら?」
「南蛮渡りの一本鞭よ」
「鞭でございますか?」
「冗談だ。わかった引き受けようじゃねえか。ついては当屋の地
下室でしんねりしねえか」
「しんねりと申されますと?」
「壊れた心をほぐしてやらぁ。性戯の味方よ、逝かせ屋アハン」

 美人ハト豆、きょとんとしてら。

「それでお礼はいかほど差し上げれば?」
 ちっちっちっと、俺は人差し指を横に振ったぜ。
「表の看板見てみなよ、常連客になってくれりゃぁ、それでいい」
 番頭が慌てて外へ飛び出して大きな声で言いやがったぜ。

「よろず性的按摩と書いてあり!」

 伊香瀬安範、変態侍。歳はあらふぉー、素浪人。
 だから言うのよ、性戯の味方だ、逝かせ屋アハン。
 いよいよ開演いたし申ぉぉーす!

廻船問屋 若妻千代(序章の下)

 品川あたりの船着場。
 月闇に小舟が来る。岸に着くと、風体のよくねえ野郎どもが
群がったのだが、そん中に結構いい女がいやがるぜ。

「渡海屋さん、抜け荷はもう勘弁してつかあさい」
「うるさいんだよ、誰のおかげで商売してると思ってるんだい」

 弱っちい男が一人。可哀想なお千代の亭主だと思われた。
 安物時代劇のワルの定番、渡海屋さん。女は渡海屋のカミさ
んらしい。お千代の亭主は下請けで、脅されて抜け荷に手を染
めたってぇことだった。
 性戯の味方、伊香瀬安範、見過ごせねえぜ。柳生新陰流、免
許更新の腕が鳴る!

 ナーオ! フギャァ! サカリのついたニャンコがうるせえ!
「誰だ、そこにいるのは!」
 ほら、めっかっちゃった。このラブ猫め。

「ふっふっふ、悪事もたいがいにしな、この俺が知ったからに
ゃぁ見過ごせねえな」
「しゃらくさいねサンピン! 野郎ども、やっちまいな!」
 野郎どもは、ひぃ、ふぅ、みぃ…ざっと八名、エイトマン。
 馬鹿な奴らだ、この俺様に抜かせるとは。
「アチョォー! わんわん!」
「ヒー!」
 てめらショッカーか? あっという間の悪人退治、男どもは
バタバタ倒れた。

 そんとき健気なお千代さんが駆けつけらーな。
「おまいさん怪我は? もう! だから危ない真似はよしなっ
て言ったじゃないか。ばかばかばかばかばかばかばか!」
 なんたる茶番。亭主に胸ドンしちゃって可愛いなー。
「おい亭主!」
「へい!」
「こんつぎ恋女房泣かせやがったら叩っ斬るぞ! おうちに帰
ってやさしくパコパコしてやんな、わかったかい!」
「あぁん伊香瀬の旦那ぁ、かっこいーい。きっとお礼にうかが
いますから、南蛮渡りの、でるどーで逝かせちょーだい、アハ
ンアハン」

 おい劇作家、この寸劇、書き直したほうがいいんでねーか。

 さて渡海屋の美人妻。どうしてくれよう、むっふっふ。
「見逃しておくれよ、命ばかりはお助けを」
「許せねえな、覚悟しな!」
 シュシュシュ! 電光石火のオイラの剣が帯を断ち、着物を
切り裂き、真っ赤な腰巻きをスパッと両断。いい女は素っ裸!
「ひぃぃ、どうかお助け、カラダをあげる、好きにして」
 素っ裸でまつわりついて泣いちゃったがね。

「抜け荷の中身は! こりゃ何でい!」
「南蛮渡りの、バラ鞭に一本鞭、これがぎやまん浣腸、ばい
ぶぅとかもありますけどね、ンふ」
「こっちは!」
「南蛮渡りの、穴開きぶらじゃー、その他もろもろ、えすえ
むぐっず」
「てめえ! 不埒な良品ばかりじゃねえか! オイラが全部
もらっとく!」

 やさしいオイラにゃ女は斬れねえ。
「もうしねえな? 悪いことしたって思ってるよな?」
「あい。ぇぇーん、ごめんなさーい」
「うんうん、いい子いい子。しかしついでにお仕置きだ、向
こう向いて四つん這い」
 南蛮渡りの、ばいぶぅで、くねくねビィィーン。

「アハンアハン、逝かせ屋アハーン!」
 性戯の味方だ、伊香瀬安範、悶える女はカワユイぜー。


追記) 序章はあくまで冗談ですよ。逝かせ屋アハンの活躍にご期待
     ください。近日開演予定です。

最初はCFNMだったんです(終話)

 ペロちゃんが家を出たという話が舞い込んだの
は、それから二月ほどした頃でした。スピーカー
は友梨。あのときのCFNMパーティにいたアラフォ
ー美人に三月の期限付きで貸し出されたというの
です。だけどいくら義理でも息子なのよ、と思っ
ているとマダムから電話が入る。
「同棲なんですか?」
「みんなには貸し出したって言ってるけどじつは
そうのなの。彼女が旦那と別れたのよ。ペロちゃ
んにぞっこんだからしばらく手元に置きたいって」
「それでペロちゃんはそれでいいの?」
「大喜びよ。専属ペットになりたいってずっと言
ってた子ですもの」

 はぁぁぁ…あっそって感じでしたね。

 相手とは二十以上も歳が違う。けれどもまあ飼
い主とペットの関係ならばそれもアリかも知れな
いけれど。
「ところで景子のところはどうなってるん?」
「ウッシッシ」
「あらまー、ちゃんと手懐けちゃった? 噛んで
含めて連れてらっしゃい、調教具合を見てあげま
す」
「それいいかもー、あははは」 で、決まり。
 FEMDOMではありません、CFNMのつもりだったん
です。
「マダム好きみたいよあなたのこと。可愛がって
あげたいって言ってたわ」
 お世話になってるマダムだし、私に恥をかかせ
ないでね。もうエッチしてあげないよ。
 それが決定的な殺し文句だったようですよ。

 土曜日、マダムのお部屋に連れ込んで、私とマ
ダムの二人は着衣で旦那は全裸。マダムの足下に
膝で立って両手は頭の服従ポーズ。
 私はぴくぴくしてる旦那のアソコが可笑しくて
横から見ていて笑ってましたね。私の旦那はヒロ
キです。マダムったらミニスカで横から見てても
パンティが見えそうで。旦那の位置からならデル
タそっくり見えていたはず。
「ヒロキって奥様を喜ばせるためなら何でもでき
るね? おうちでお尻の穴まで舐めてるでしょ?」
「はいマダム」
「よろしい、いい子よ、とっても可愛い」
 なんて言いながらニタと笑って、ぶらぶらして
るふにゃチンをスリッパでパシって叩く。
「あぅ! ンふ…」
「はいはい逃げちゃダメ、突き出しなさい」

 操り人形のように言われるがまま。パシパシと
かなりキツく叩かれてるのに、旦那のムスコはぐ
いぐい上を向いていく。
 マダムが手をやり握ってやると旦那はうっとり
目を閉じた。握ってやってちょっとしごき、それ
からぶらさがるタマタマちゃんをムギュと握って
ぐりぐりこねる。
「ンふ、ンっふ! うぐぐ!」
「痛いね。わかるわよ痛い痛い、でもこうして」
 と、手の甲で下からまともにベシってタマ打ち。
「ぐわぁ!」
 股間を押さえて体を丸めて顔色を青くしている。

 おもろー! あははは!

 マダムの指先が旦那の顎を上げさせます。
「これからゆっくり、でも着実にヒロキを奴隷に
していくからね。奥様と私で虹色の夢を見させて
あげるわ。ねえ景子、そうでしょう?」
「もちろんよ。ちょっとでも逆らったら二人女王
よ。両方が許すまで拷問ですからね! わかった
変態!」
 言葉の遊びのつもりでした。だけど旦那はうん
うんとうなずいてマダムの胸に抱かれていきます。
「あら可愛い、服従を誓えるならいますぐ舐めさ
せてあげるけど、どうするの?」
「はいマダム!」
「奥様にも誓いなさい」
「はいマダム。誓います景子様!」

 くくくっ! やったーって思ったときに。

 マダムが旦那の顔をスカートの中へと押し付け
ていくのです。旦那の手がウッソーと思えるぐら
いの真っ赤なパンティを脱がしていって、下毛の
中の淫らなマダムに舌をのばして奉仕する。
「後ろからアナルでも犯してやれば」と、あのと
きの串団子みたいな細いディルドを私の手に。
 いよいよ楽しくなってきてアナルにズブリ。睾
丸をグリグリ揉んでズボズボ突いた。
 ボッキはもうバキバキで、おなかの下でぐいん
ぐいんとスイングしてます。

「あはぁん、はぁぁん!」

 旦那の声が女になってる。犯されてよがってい
ながらマダムのアソコを舐めている。
 と冷静に思ったときに、いきなり衝き上げる怒
りがきたわ。意味不明。私以外の女にアヘアヘ言
ってる旦那に腹が立ってきたのかも。
 四つん這いの旦那の後ろに立った私は、垂れ下
がってブラブラしているタマタマちゃんを本気で
蹴った。サッカーボールキックです。

「ぐわぁぁ!」

 可哀想な悲鳴が聞こえた次の瞬間、旦那が白い
粘液をぴゅっぴゅっと放出。イッちゃった。
「ほらぁ気持ちいい。もっと蹴ってほしい?」
 と言いながら、マダムが私にウインクしたわ。
 もちろん私は気分がよかった。旦那は泣いてし
まってます。

 可愛いわ男って。たまらない。

 最初はCFNMだったんです。
 だけどどうやら、私は私の正体を晒してしまっ
たようですね。
 女の中には、もれなく魔女が棲んでます。

廻船問屋 若妻千代(序章の上)

 向かったのは出会い茶屋よ。お実ちゃんも、もちろん一緒で
楽しいなっと。
 出会い茶屋っていうのはよ、いまふうならラブホかもだぜ。

 チリンチリン!

「ちょいと待てぃ変態侍。またしても二人仲良く、どこぞの女
を逝かせに行くかい? 猥褻物生命体として捕縛するぞー」
「がっはっは、違いねえやな。されど久しい同心ポリスよ、そ
れはいったいなんなんでい? 妙に骨っぽい馬だよな?」
「南蛮渡りの、ままちゃりよ。おめえごとき素浪人には買えな
いシロモノ、ざまあみろ」
「おいコラてめえ、いっぺん斬るぞ」
「へん、こちとら南蛮渡りの、りぼるばーだぜ、勝負すっか」

 というわけで、この物語、都合が悪くなると何でも南蛮渡り
にしちゃいますから、そのへんご了承願います。

 そんでまあ出会い茶屋よ。お千代さんて若い奥さん、かなり
なべっぴん、いい女。薄い着物が尻ぴっちりでウキウキしたぜ。
「お侍様が逝かせ屋アハン様で?」
「いかにも左様。時間制限アリってことで、さっそくはじめや
しょうかしら。まずお脱ぎ。そんでこいつを穿いとくれ」
 腰巻きよりも真っ赤なひらひらカワユイなー。
「それは何と申すもの?」
 すでにもうホッペがリンゴで羞恥メロメロ、アソコしっとり。
「南蛮渡りの、ぱんてぇーと申すもの」
「ぱ、ぱんてぇー?」
「左様でござるよ、アソコぴっちり気持ちよかたい」

 着物を脱いで腰巻きはずしてすっぽんぽん。オイラとお実ち
ゃんにニタリ笑われ、恥ずかしそうに身悶えしてら。
 そんでまた真っ赤な、ぱんてぇーがよくお似合いで、オイラ
このときボッキボッキしてまして。
「ではそこへお立ちになられてご用向きを。はじめますわよ、
お千代さん」とお実ちゃんが事務的対応。
 そんでオイラが、すいっちプチ。
 すると、ブィィィーン。
「あー! あぁぁー! 伊香瀬様、アハン、アッハーン」
「南蛮渡りの、ろーたーと申すものがクリちゃんにあたってお
り申す」
 お千代さん、お乳ぷらぷら腰をクネクネ踊ってらーな。

 そうなのサ、それでオイラは逝かせ屋アハンになってもた。

「じつは主が…アハンアハン…抜け荷を…アハンアハン…それ
で注意しましたところ拗ねてまい…もうダメ、ねえねえ、アハ
ンアッハーン」
「まだまだよ、お続けなされ」
 オイラ意地悪、ぶるぶるまっくす。
 ビィィィーン!
「嫌ぁぁぁーん…それで一月ほども夜のナニが…ああダメもう
ダメ、逝ってきまーす!」
 お千代さん、崩れ落ちてもがき倒して逝ってもたがね。

 抜け荷をやらかし奉行所に目をつけられた。しかしそれは脅
かされてやったこと。どうか主人を助けてやってちょーだいネ。
 とまあ、そんな話しだったわけ。
 そんでオイラはお千代さんを四つん這いにさせておき、すぺ
しゃるな南蛮渡りで愛を届ける。
「南蛮渡りの、でるどーと申すもの。イッパツ昇天間違いナシ」
「ああそんな! 太くて長くて硬そうなモノ! 早くちょうー
だい嬉しいなー!」

 ふっふっふ、どうでい?
 性戯の味方よ、伊香瀬安範。哀れな女を見捨てちゃおけねえ。

最初はCFNMだったんです(十話)

 マダムを呼んで、まもなく旦那になる彼にCFNM?
違うわよ、そんなことはあり得ない。
 翌日は日曜です。午前中から彼がいて、午後か
らマダムが遊びに来る。偶然を装うために彼には
何も言わずにいたんです。
 彼に会わせてはたしてマダムがどう言うか。結
婚て女にとっては難しい一面がありますからね。
恋人時代はニャンニャンしていて、結婚、それか
ら徐々に化け猫になっていく。男の操縦法を誤る
といつかきっと泣く日がくる。

 なんて漠然と思ってましたが、マダムならきっ
と彼を見抜いてくれると思ったわ。彼にはMっぽ
いところがある。なんとなくでもそう感じ、そこ
が可愛く思えて好きになった男だから。
 午後から二時間ぐらいだったでしょうか。マダ
ムには友だちのおばさんということにしてもらう。

 そして、またそのあくる日の月曜日、仕事を終
えてマダムのお部屋を訪ねます。
「うふふ、なるほどねー。あらそう?」
「えっ?えっ?」
 マダムったら顔を見るなり意味深に微笑みます。
 紅茶を二つつくってくれて座ります。
「じゃあ言うわよ」
「あ、はい…どう思います?」
 結構ドキドキしてました。
 何なのアレ、やめたほうがいいわよ。とか何と
か言われそうな気がしたからです。
「Mよねー」
「やっぱり?」
「ペロちゃんどころじゃないわよ、あれはドM」

 私は意味不明のため息をついていた。期待した
通りの答えだったのですが、心のどこかに彼って
Sっぽいと言って欲しかった部分もあったから。
「早いうちに喧嘩なさいな」
「はー??」
「拗ねて拗ねて困らせてやりなさい。ヘコませる
だけヘコませて、許す条件にアソコをペロペロさ
せてやる。アナル舐めさせてもいいかもよ」
「それをきっかけに?」
「左様でござるよ、奉仕しないと抱かせてあげな
いぐらいの感じでやってごらん。それもうんと屈
辱的に」
「屈辱的って?」
「CFNM。彼だけ素っ裸にして寝かせておいて顔に
まがってやればいい」
「怒らないかな?」
「ノープロブレム。乳首でもツネリながら舐めさ
せたらボッキボッキよ、あっはっは!」

 ボッキボッキね…そうかもしれないと私はこの
とき可笑しくなった。

「下手な男のプライドなんて壊しておいたほうが
いい。ただし好きを演じて破壊する。馬鹿な女は
嫌いを演じ過ぎて逆ギレさせる」

 なるほどねー。わかる気がする。

 早いもので、それが半年前の出来事になってい
ました。結婚したわ。
 だけどしばらくは共働き。いきなり家にくっつ
く女になんてなりたくなかった。その日は私のほ
うが帰りが遅い。会社のOGを呼んだ女子会があっ
たからです。だけど私はそんなこととは旦那に言
わず不機嫌そうに帰宅した。
 じつは少し前から拗ねていた。結婚してから思
った通りで旦那の態度がデカくなり過ぎ。夕食の
支度をさせといて連絡もなく飲み会に行ってみた
り、細々だらしないところも目立ってきた。私が
拗ねはじめて気づいたみたいよ。

「いつまでもこんなふうじゃ嫌なのよ。仲良くし
たいの。わかった? それともずっとセックスレ
スがいいのかしら?」
 しょんぼりした彼の顔。私は内心笑っていまし
た。もう10日ほどになりますがタッチさえ許し
ていません。部屋を分けて寝ています。
 外から戻った姿のままで仁王立ち。旦那に正座
をさせてます。妻の前で正座をすること自体がプ
ライド崩壊? 情けない顔してたんですね。
 スカートを脱ぎパンストを丸めて脱げばピンク
のパンティ。それだけで旦那は性欲ムラムラ?
「許してあげるから舐めて。一日働いて臭いから
綺麗になさい!」
 そしたら旦那、膝で立って私の腰を抱き締めて、
パンティのデルタの奥へと鼻先を突っ込んできま
したね。

「もう嫌よ」
「うん」
「うんですって?」
「はい」
「はい奥様って言いなさい」
「はい奥様」
「声が小さい!」
「はい奥様!
「よろしい。じゃあ脱いで。素っ裸でそこへ寝な
さい」
「はい奥様!」

 ウッシッシ。やったーてなもんですよ。

 顔にまたがり、和式便器そのままにお尻の穴を
口に押し付けてやりました。
「好きを演じて操縦する」そんなマダムの声が聞
こえるようです。
 小さな乳首に爪を立てて虐めながら舐めさせま
す。旦那の息子はボッキンキン。
 ああいけない、エスカレートしていきそう。
「ネットで鞭とか揃えてみる?」
「はい奥様!」

 お尻や背中に鞭痕刻んで、マダムと二人で責め
抜くシーンを想像していた。

最初はCFNMだったんです(九話)

 だからと言ってS女モードに突入かといえば、
私の場合はまったくそうではありません。
 結婚がすぐそこに迫っていた未来の旦那に対し
てはもちろんですが、ペロちゃんに対してもむし
ろやさしくなれていく。虐めてみたり舐めさせた
りはするのですが、その都度解放されていく母性
の量が増えていく。

 男の弱さは女にとっては蜜の味よ。私がいて補
って、はじめてこの人は男らしくいられる。自ら
の存在価値を確かめていたいのと、それが性とい
う基本的なところで弱い男を補ってあげられれば
女を構成する本質の部分から母性を発揮していけ
ます。
 母性は下手に向けると自分をダメにしてしまう。
情という感情です。情にほだされ、まあいいかで
ずっと過ごして腐っていく女なんて星の数ほどい
るでしょうし、私の周囲を見渡したって少しも幸
せそうじゃない。

 思い切ってマダムを訪ねてみたのです。友梨に
は内緒。あの子の場合はちょっとカルい気がする
の。もともとが発展家と言えばいいのか、CFNMだ
って、そういうムードに流されてるだけな気がし
たから。

「男だけが素っ裸。それだけで女は幸せな気分に
なれるのよ。なぜだかわかる?」

 そのときペロちゃんはいませんでした。マダム
と二人で話していた。彼とは会えない土曜でした。
私の方は仕事はもちろんお休みでしたし、若いペ
ロちゃんは出かけていません。義理とは言っても
マダムがまさか母親だなんて。
「優越感ですよね?」
「その本質よ。赤ちゃんは裸じゃない」

 がーん。

 決定的な回答でしたね。だから母性が騒ぐので
す。リクツではありません。脱がされて羞恥に身
悶えて情けない顔をする男の子って無条件に弱い
でしょう。無条件に弱いものに女はどこまでも強
くなれるし、それとは真逆にどこまでもやさしく
なれるようですね。
「ペロちゃんのこと可愛いでしょう?」
「たまりませんね」
「でしょうね。そこをはき違えるから男も女もつ
まらなくなっていく。だからって不幸じゃないの
よ。面白みがない。面白みがないと長くは一緒に
いられない。旦那を躾けていくのも女の器量。で
もね」
 マダムがじっと見つめます。
「それはペロちゃんの器量でもある。弱さを曝け
出せるほど強いことはないものよ。弱さを出せな
くて苦しむ女がほとんどですからね」

 そんなことを話しているときペロちゃんが戻っ
て来ました。私がいることにちょっと目を丸くし
て、だけどにっこり笑ってくれます。
 服を着た姿のまま私たちの前に来て、最初に私
の足先にキスをして、それからマダムの足先にキ
スを捧げる。そのときのマダムの笑顔は溶けてい
ました。
「はいはい、いい子。おいで」
「はい! ンふふ」
 まるで女の子みたいなんだもん。ソファに座る
マダムの胸に飛び込んで、ブラを着けて張り出す
胸にほおずりしている。
「せっかくのお客様よ、脱ぎなさい」
「はいマダム」
 
 はぁぁぁ。あーあって感じかな。

 よしと思った。未来の旦那を躾けてみよう。
「マダムって明日のご予定は?」
「別にないけど?」
 私の部屋にお呼びしました。明日は彼に逢う日
です。 

大江戸変態事件帳(序章)

 江戸は深川、路地裏長屋。

 
「おはよーさん」
「あらまー、伊香瀬の旦那じゃござんせんか。今日も今日とて
すかんぴん? あっはっは!」
「うっさいわ、どうにか生きてら」
 てなことを言いながら尻でも揉んでやったりすりゃぁ、女は
みんな大はしゃぎ。

 オイラの名前ぇは、伊香瀬安範(いかせ・やすのり)。
 長屋住まいの素浪人だが、自慢じゃねえけどお人よし。

 
 そんなオイラのお隣りさんに気のいい町娘がやってきた。
 エッチな名前ぇだ、お実(さね)ちゃん。
 花も恥じらう十七で、深川きっての三味線屋の末娘。気立て
はいいのにどういうわけかおっ父相手に喧嘩ばかりで勘当さ
れた。

「おーおー、そうかいそうかい、親元離れてシングルらいふ?
そんじゃまぁ、オイラの仕事を手伝っちゃくれめえか」
 そんなこんなで意気投合。いまじゃ夕餉ぐれえは差し向かい
で喰う仲よ。

 さてと、あるとき。

 どこぞの番頭が訪ねてきやがった。お実ちゃんがフロント係。
「あのう、もし。こちらが逝かせ屋アハン様のお住まいで?」
 おいこらてめえ、ぶった斬るぞ! あっはっはっ!

 そうよ、オイラが巷で噂の逝かせ屋アハン。伊香瀬は逝かせ、
安範を音読みしてみ、アハンじゃねえか。
 親にもらった名前ぇだけにどーにもならねえ。

「ほうほう、廻船問屋のお内儀かい?」

 今宵もまた逝かせてほしい女のもとへと駆けつける。
 性戯の味方よ変態侍、伊香瀬安範。寂しい女を救いに行くぜ。

 今回こりゃまたプロローグ。時代混乱、一見ハチャメチャ、
半パロ半マジ時代劇は次回からということで。 予告編までと。

最初はCFNMだったんです(八話)

「もっと気持ちを入れて舐めなさい! このド変
態! おまえなんか愛してくれる女なんていない
わよ!」
 デルタの毛の中に顔を突っ込みピチャピチャ音
を立てて舐めてくれるペロちゃん。言葉で嬲り嬲
りするうちに閉じた瞼から涙がじわっと滲んでき
ます。見てるとゾクゾクしちゃいます。
「クリトリスをもっと吸って! あのね、もうす
ぐ私は結婚するの! 旦那との甘いエッチで感じ
る妻になりたいの! わかった! おまえなんか
にさせてなんてやらないからね! 情けないマゾ
男なんだから!」
 涙が溢れて流れてきます。こいつってブスじゃ
ない。カッコいい部類。それだけに私は勝ち誇っ
ていましたね。SMしてるとは思ってなかった。
うまく言えないけれど男を裸にして遊んでる感じ
かしら? 征服欲が満たされる感じって言えばい
いのかも知れませんが。

 だからそんなに酷いことまではしたくない。焦
らして泣かせて楽しんでる。
「ダメよ! 気持よくない!」
 突き放して膝で立たせ、脚を開かせてタマタマ
ちゃんをボコっと蹴る。グワって叫んで顔色を青
くする。
「舐めます! 一生懸命ご奉仕しますからぁ!」
「ほんとね! 今度ダメならタマ潰すよ!」
 そしたらまたむしゃぶりついてベロベロ舐める。
 むふふ、愉しい。スカッとする。
「ンふ、そうそう、それでいいの。もっとちょう
だい、気持ちよくなってきた」
「はい! 嬉しいですお姉さま!」
「私のお汁って美味しい?」
「はい! とっても美味しいです!」
 涙をこぼしながら舐めてくれるペロちゃんの頭
を抱き寄せて、べっちょべっちょのアソコに押し
付けてやるんです。じつはこれ、私の彼も好きな
んですよ。頭を押さえて舐めさせるとトロンとし
た目になるの。

 タマを蹴ったりなんて行き過ぎですけど、旦那
が裸、私が着衣ぐらいなら、彼ってきっと燃える
と思う。男の裸で遊ぶことがクセになりそう。
 なんて冷静に考えながら一方では着実にアクメ
に近づく。その頃にはベッドからズリ落ちそうに
なっていて、ペロちゃんの両肩に足をのせていま
すから、アナルが飛び出し、そんなところまで舐
められているんです。仕事の後よ。シャワーさえ
していない。なのにペロちゃんはその方が嬉しい
みたい。あのときだって二日洗ってないって言っ
てる女がいたぐらいだもん。

 半分とろけた私は、あのときのマダムのように
後ろからペロちゃんを抱いてやって、左手で乳首
に爪を立て、右手で爆発しそうなペニスを握って
しごいてあげる。
「ンふンふ!」
「気持ちいいね?」
「はい! ありがとうございますお姉さま、嬉し
いです。もう出ます、出ちゃいます」

 可愛い。たまりません。結婚して旦那相手にこ
んなことができるのなら女冥利。涙を溜めて気持
ちよさそうに精液をまき散らす旦那を見たら、も
う抱きくるんであげたくなるでしょう。
「ンふ、ンーっ! 出ますーっ!」
「いいわよイッてごらん。飛ばしなさい」
 私の手の中で肉棒が膨らむ感じがした直後、ド
ピュドピュと濃い精液が噴射した。粘液の塊がベ
チョって床にへばりつく。
 ペロちゃんの体から力が抜けて、後ろの私にも
たれるように倒れてくるの。
「気持よかったね」
「はいお姉さま。ンふふ」
「ペロちゃんて、もしよ、もしも私がおっしこし
たら飲めたりする?」
「はい!」

 そこまでできたら愉快でしょうけど、私はきっ
と私自身が怖くなると思うのです。なんでもエス
カレートしちゃうほうだから。
「ママには内緒にしてあげるから虐めたくなった
らメールするね」
「はい! お姉さま好きぃ!」
 おいおい、おまえは女の子かよと思うのですが、
私には結婚まで時間がなかった。男の扱い方を試
してみたい。
「ペロちゃんて鞭は好き?」
「もし外でお会いできたら絶対服従しろって」
「どんなことでも?」
「はい」

 このとき私は衝き上げてくる激情をどうするこ
ともできなかった。ここはホテル。別世界ですか
らね。
「いいわ、お風呂行きなさい、おしっこしたい!」
「はいぃ!」
 こうなったときの私は怖いんです。彼にだって
一度スネると面白がってスネ続ける残酷さがあり
ますからね。 

ピックアップ!


ウェブマスターはこちら リアル素人CLUB-XXX リアル素人CLUB-XXX

ここはハード性小説

SM~FEMDOM、レズと
官能小説らしい物語を集めてく。
新刊案内

レズ官能小説の二編集
自虐オナニー~レズ
●指だけじゃ飽きたらなくて
レズSM(露出)
●同名小説


好評シリーズ、発売開始!
官能ホラー
闇刈いわく堂シリーズ特別編
『白湯鬼さん』


~飾られる女たち~
インテリアドール紫織編
若く美しい性人形の日々へ


~飾られる女たち~
インテリアドール芙美子編
しっとり落ち着いた大人のSM

登録サイト





スペシャルリンク















ブロとも一覧

SM~猟奇の性書~官能

~ 艶 月 ~   
テキストリンク
アクセスランキング
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる