快感小説

爽やか不倫 風をきって(七話)

 木曜日がいつも空いてるわけではなかったわ。それも前もって予定
があってダメなのならともかくも、私の場合ほとんどがイレギュラー。
中一と小四の娘が二人。上の子にもいろいろあったし、まだ幼い下の
娘なんて風邪をひいたりおなかを壊したりで、それが木曜日に重なる
とお手上げなのです。
 彼とのサイクリングがドタキャンになっちゃうとがっかりしたし、
彼にだって申し訳ない。子供の小さいうちはしょうがないよと言って
くれても、逢いたいのは私なのにね・・。

 それだけじゃなかったわ。同じ街で近くても、だからこそ迂闊なこ
とはできなかった。娘が二人ということは中学校と小学校のそれぞれ
に知ってるママさんたちも多いということ。中学校は学区が広く、マ
マたちもそのへんに散らばっているでしょう。小学校はすぐそばです
けど、今度はすぐ近くに知ってるママさんたちがかたまってる。親の
間で噂になっても困りものですけれど、それよりも親の口から話がめ
ぐって子供の耳に入るのが怖かった。

 その火曜日、私はまずスーパーでつかまった。上の娘の同級生のマ
マでした。その人のところも娘さん。娘同士で仲がいい。
「あら細川さん」
「あ、はい、こんにちは。田村さんもこちらでお買い物ですの?」
「うん今日はね。このへんあっちこっち行きますけど、今日はここが
特売だから。あ、そうそう、細川さんてもしかして自転車なんてやっ
てらっしゃる? 本格的なサイクリングみたいなことですけれど?」
「ええ、それはまあ。ほんの少しですけどね」
「あーら、やっぱり。じゃそうだわ」
「はい?」

「あのね、ついこのあいだ走っておいでのところをお見かけしたもの
ですから。この先のファミレスの裏通りで。もしやそうかなとは思っ
たんですが、ヘルメットでお顔がよくわからなくて人違いだとまずい
でしょう。だからお声がけしなかったんですよ」
 彼女とは立ち話でそんなこんなを取り繕って、それから私はマスタ
ーのお店に行こうと駅を越えて反対側に出たのですが・・。

「細川さん、細川さん!」
「ああ、これは皆さんお揃いで」
 今度は下の娘の関係のママさんたちが三人。そしたらやはり中の一
人が言うんです。
「細川さんて自転車はじめられたそうですね。なんかすごい本格的な
ツーリングサイクルをお持ちだとか?」
「まあ一応は。お恥ずかしいですわ、ダイエットを兼ねてと思いまし
てね。うふふ、でもそれをどこで?」
「あらやだ、ウチの子がお宅のお嬢さんに聞いて帰ってきたんですよ。
ケイリンみたいなスタイルだって。おほほほ」

 と、そんなありさまで女三人やんややんや・・。
 もしも彼と二人のところを見られようものなら話に尾ヒレがつくの
は目に見えている。もちろん浜島さんもそのへんは気遣ってくれてい
て、待ち合わせの場所を変えようとは言ってくれる。でもね、普段彼
のお店に行くのはどうしようもないでしょう。毎日でも逢いたいし逢
える距離にいるんですもの。
 とは言え、たとえそれが喫茶店でも頻繁に入り浸っているようだと
ヘンに思われかねないから。


「なるほど・・うむ、それはちょっとね、気をつけないと」
「そうでしょう。でも、だからといってコソコソしてると・・」
「それだと今度は、いかにもだよね。僕はそっちが心配なんだよ。明
ちゃんが自分を責めて、それで潰されてしまわないかと気になってる」
 そんな話をしてみたところで答えなんて出るはずない。もしかした
ら、私はもののついでに彼の気持ちをもう一度確かめようとしてしま
ったのかも知れません。
「ごめんなさい、つまらないこと言っちゃった」
「いやいや、つまらないものか。アッコとずっと一緒にいるためにも、
しておくべき話だよ」

 アッコ・・この店のマスターに、そう呼ばれたのははじめてだった。
 カウンターを隔てていても私にとってマスターはマスターではなく
邦雄さん。やっぱりそこらの喫茶店に入るのとは違うんだと思います。
ほかのお客さんたちも、そのへんは鋭いものでしょうし。
 私は、最初の頃の彼の言葉を思い出していたのです。

「いい歳をした男と女が、何もかもを織り込み済みで付き合うのはた
やすくないよ」
 そういうこともあるんだと、ぼーっとしてカウンターの中の彼を見
ていたら、彼が言うのね。
「ところで志保さんとは、その後会ってる?」
「ううん、そう言えばぷっつりだわ」
 志保もそうだと思ったわ。浜島さんの奥様ともつながってるし私の
夫だって顔を知らない仲じゃない。自転車のクラブの関係でもいろい
ろとあるでしょうし・・そうよ、彼女がいちばん怖いと私は思った。

「志保ねえ・・それを言うなら、いちばん注意しなけりゃならないか
もよ」
 そのときでした、彼の口から思わぬことが。
「いや、彼女は言えないよ、そんなこと。むしろクラブの連中だね。
大勢で走るのは楽しいし、アッコもそのうちとは思っていたけど、ど
のみちこの界隈に住んでるわけだから誰と誰がつながってるかわから
ない。それもあって僕はクラブをやめようと考えていたんだが」
「そうなんだ。でもどうして志保なら言えないって言えるの?」
「お互い様さ」
「え?」
「あのね、これは言わないでおこうと思ってたんだが、分裂して出て
行った方のグループに志保さんの恋人がいるんだよ」
「うそ・・志保も・・」
「まあ、そういうことになるかな。ずいぶん前からだけどね」

 このとき私は、ふっと気持ちが楽になった。ずっと友だちだった志
保でさえやってること。もしかしたら、そこらで出くわすママさんた
ちも、私とばったり会ってしまい、じつは向こうがドキドキしてるの
かも・・そう思うといままで真面目一方だったのが馬鹿らしくなって
しまった。
「大事なのは二人の気持ちよね」
「そうだね。でもだからこそ逢いたいのを我慢しなければならないと
きもある」
「はい」
 私は浜島さんを百パーセント信頼した。何もかもを織り込み済みで
愛し合える人なんだと。
 衝き上げるような性欲を感じたのもこのときでした。私の中で何か
が吹っ切れた。あのときのシャワーの雨を思い出し、体がゾクゾクし
だしてたまらなかった・・。

「ねえマスター」
「はいな?」
「カウンターの中って、どうなってるの?」
「あ?」
「前から思ってたけど背が少し高くなるような?」
「ああ、スノコあるからね、その分高いのさ。入ってみるかい?」
 その言葉を待っていたわ。私はカウンターを回り込むと、彼の手を
スカートのお尻のところに導いたのよ。
「アッコ」
「クニさん」
 私はどうしてしまったのか・・ズボンの前をまさぐっていた。

 それから二週間ほど後のこと。木曜日。小春日和で暖かかった。久
しぶりの羽田でした。あの公園のベンチのところ。私には嬉しい報告
があったのよ。考えてもみなかった嬉しい報告。
「アッコ、走れるようになったねー、脚力がついてきた」
「みたいね。なんか太腿が締まってきたような」
「どれどれ」
「あ、エッチ! あははは!」
 そう言って彼はベンチの前に私を立たせ、くるりと回らせてお尻の
あたりを見ていたわ。彼の両手がお尻に回り、私をキツく抱き込んだ。
「ヤだ、こんなところで・・」
「可愛いヒップだ」
「ねえねえ」
「うん?」
「まだ少し先のことですけど、四月から」
「うむ? どうした?」
「主人が単身赴任になりそうなのよ大阪へ。一年ほどらしいけど」
「そうか」
「少しは自由になれるかも・・うふふ!」

 サイクルパンツの上からですけど、彼の手がお尻の谷から滑り込
み、サドルに擦れて熱を持ったそこのところをやさしく撫でた・・。

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