快感小説

一幕 両替商 若妻お郁(その二話)

 さて地下だ。お郁の背中を俺が押すとお郁は観念したらしい。
番頭におまえはいいから先にお帰りと言うんだよ。この期に及ん
で潔いと思ったね。事情はわかった。しかしまだ言ってねえこと
があるはずだ。ご都合主義の依頼は受けねえ俺だから。

 押入れの下の板壁をドンと押したらドンデン返しよ。地下への
口が開くというわけ。階段を降りてしまえば蝋燭照明ゆらゆら揺
らぐ。可哀想にお郁のヤツは胸に手をやり、あたりを見回し、カ
タまってたぜ。
「ここは…いかにしてこのような?」
「見た目こそボロ長屋だがな、かつては甲賀のくノ一、マン毛の
お貞(さだ)って、それは恐ろしい女の棲家だったんだ」
 そんとき階段から、いまにも見えそうな、みにすか小袖が降り
てきやがる。

「幻魔のお貞だよ! ゲ・ン・マ! どこぞの世界にマン毛を名
乗るくノ一なんぞいるんかね! なんでもかんでもいやらしく言
うのはおよし! おぅおぅ旦那よ! メシ作ってやんないぞっ!」
「うーーー。えらいすまぬこって」
「オシっ許したる! あははは!」
 まあ、ぽんぽんぽーんと言うわけさ。お実ちゃんは、たかが十
七、小娘なんだが、さすが江戸っ子、キップがいいぜ。
 往復キップだ、ああ言や、こう言う。

 そんでまあ、俺が怖い顔を創り直してお郁を壁際まで追い詰め
て、お郁の背がドン、俺の左手がお郁を追いかけ、壁ドンよ。
 胸に手を組み上目づかいで怯えていたが、まんざらでもないよ
うに「ンふ」と笑う。お実ちゃんが俺の威厳を潰してまった。

「見な」と俺が指差してく。真ん中で天井支える太い丸太の柱か
らよ。
「泣き柱だよ。裸で抱かされ、尻の皮が剥けるまで鞭だからね」
 お実ちゃんの解説付きよ。南蛮渡りの、ぱいぷ椅子に腰掛けて
足でも組みゃぁ、尻ぎりぎりまで白い太腿。手の中で南蛮渡りの
乗馬鞭をぴしゃぴしゃしてら。
 さて次に俺が指差す。すかさず、お実ちゃん解説が。
「南蛮渡りの、でるどーってのが付いてる椅子でね。アソコにズ
ブリ! アハンだよっ!」
 さてさて次だ。
「南蛮渡りの、どくたー椅子だよ。両足それぞれ縛られて、お股
ぱっくりご開帳って寸法さっ」
 そんで最後に俺が壁一面を見渡した。

「バラ鞭に一本鞭、縄そのほか、泣かせるものならなんでもある
よっ。いえね、ついこないだ渡海屋ってぇワルがいてさ、抜け荷
しやがったもんを旦那がかっぱらって来たってわけなんだ」
 かっぱらった?
 おいっ、人聞きの悪いこと言うもんじゃねえぜ、とは思ったが、
そこで俺が気合いを込めて壁ドンふたたび。ドーンだぜ。安普請
でよく響く。
「おめえさん、まだ話してねえことがあるはずだ。ご亭主の悪事
はわかった。けどそれでなんでおまえさんが身投げする? 合点
がいかねえ。合点がいかなかや合体できねえ、それが男と女って
ぇもんだろう。脱ぎな! 素っ裸ぜよ!」

 そんときお郁、震えていたね。悪い女じゃねえようだ。
 帯を解き、着物をはだけりゃ、ぱっしょんれっどの腰巻きだい。
 顔色なんぞ白くして、そいでまた綺麗なお乳をぷるぷる震わせ
素っ裸。乳首も勃って美しいぜよお郁さん。でるたーの三角黒毛
がたまらねえ。
「うむ、素直でいいぜ、そこへ寝な」
「これはなんと言うものでござりましょうやら? なにやらふか
ふかしておりますが?」
「南蛮渡りの、ダブルなべっどーと言うもんよ」
「べっどーでございますか?」
「南蛮人どもの布団だよ、さあ寝な!」
 背中をぽーんと突いてやる。
「あーれぇぇーっ」
 ヨヨとしなだれ崩れたうつぶせ裸心に俺がのっかり、腰のくび
れにそっと手をやる。腰痛はすべての人の宿命でもあり、まずは
そこから。押せばアソコの泉湧くってね。

「ぁはぁぁ、心地いいですぅ伊香瀬様ぁ…はぁぁぁ」
 甘ったるい、いい吐息。そんときじつは俺の息子がボッキンキ
ンで痛ぇえぐれぇよ。
「綺麗だぜ。なのになぜだ? なぜどうしてホワイだが、死のう
としやがった? もったいねえぜ、これだけの尻してやがって」
 パシンと尻っぺた叩いてやると、お肉プルプル…ああきゅーと。
「じつは…」
「うむ?」
 そんとき俺は尻をモミモミ。
「ンっふ…じつを申しますと、ンっふ…勘定奉行の茶羅銭様(ち
ゃらせん)の思惑でウチの人がニセ金を…それでお許しくださる
ようお願いにあがりましたところ…」
「うむ?」
「わたくしはもう汚されてしまいました」
「なんだと…茶羅銭にか?」
「そのあと配下のお侍衆にも下げ渡されて…後ろから前から…上
の口から、お尻の穴まで…」
 俺は裸身をそっと登り、肩を揉み上げながら言ってやったぜ。
「汚れちゃいねえ。それどころか亭主のために懸命だった。おめ
えさんはいい女だ、そうとも綺麗ないい女だ」
「伊香瀬様…ほんとに汚れてはいませんでしょうか…」

 なんたる健気。なんたるいじらしさ。
 肩から首筋、背から腰から尻まで揉んで、真っ白な太腿をぷる
ぷるしてやり、ふくらはぎをモーミモミ。
「綺麗だ…心が真っ白で、アソコの毛が真っ黒で…綺麗だぜ」
「はぃ。はぁぁぁ心地いいですぅ伊香瀬様ぁ…」
「うんうん、いつでもおいで、こうして揉んでやるからよ」
「ぁぃ…ンふ…はぁぁ…ぁ…Z…」
「ん?」
「ZZ、ZZZZZZっ!」

「ちぇっ、寝ちゃったがね」
「うぷぷ」
 お実ちゃんがこらえきれずに吹き出しやがって、俺の顔をじと
ーと見やがる。
「寝かせてどうすんだよー」と目の色で言うわけよ。
「そっとしといてやんな、疲れてるのさ可哀想に」
「旦那…やさしいんだもん…旦那が好きさ…」
「後でな。乳揉んで尻揉んで、舐めたおして、逝かせてアハン」
 すると、パコーン!
 南蛮渡りの、すりっぱだ。そのすいーとすぽっとで、頭イッパ
ツぶん殴られたさ。

『ああそんな御無体な…嫌ぁぁ…どうぞもうお許しを…』
「…可哀想にうなされてやがるぜ」
「…許せないね」
「…あたぼうよ、今宵まとめて叩っ斬ってやる!」
『あぁん…もう嫌ぁぁん…ぁぁん、もっとぉ…もっとシテ…一本
知ったら二本も五本も一緒なこと…ンふぅ』

 ぉえ?
 女の正体、見た気がしたぜ。


 その夜よ!
 性戯の味方、伊香瀬安範、白の着流し、紫頭巾で見参!

「こらてめえ! 勘定奉行、茶羅銭貯男!(ちゃらせんためお)」
「貴様、何奴! 曲者ぞーっ、者ども出会えーっ!」
「ぞろぞろとしゃらくせえ! 柳生新陰流、免許不携帯、伊香瀬
安範! 女を泣かせる極悪人は許しちゃおけねえ、覚悟せい!」

 おーい演出家、ここでこそ、びーじーえむ!
 ぉえ? 
 初回のすぺしゃるばーじょんにつき、二時間ドラマですー?

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