快感小説

流砂(四話)

沈滞した空気の中で奥様がおっしゃられたの。
「そうよね、SやMやってお話しだけではこの方も怖いでしょうし、
どうしていいかもわかりませんわね。よろしければご覧になって
みませんか? お義父様きっとまだ起きていらっしゃるわよ」
「母さん、何ですかいきなり! この方に失礼ですよ!」
「険悪なムード・・・。一馬さんの荒い声も聞きたくないし、何より、
さっきからのお話しがどういうことか、聞いたからには確かめずに
いられなかった。
私は一馬さんに「私ならかまいません」と言うようにうなずいて、
お母様に従ったのよ。一馬さんはそのまま一人応接に残られて、
部屋を出るとき振り向くと、両手で顔を覆っておられたわ。

大旦那様のお部屋は一階の奥。十畳ほど。床の間のある立派
な和室。山桜の掛け軸、白薩摩の大きな壺、木彫りの鹿・・・調
度品も見事だし、畳も錦糸畳でね、この邸の主たるその人にふ
さわしい造りだったのですけど、お屋敷自体洋館なのにそこだけ
和室というのも不釣り合いな気がしたわ。
そのお部屋の真ん中に布団が敷かれていて、大旦那様が横た
わっていら っしゃる。
「お義父様、起きておいでですわね」
「むぐ・・・」
奥様に促されるまま、お布団を覗いてみると・・・ミイラ・・・そうね、
失礼です けどミイラとしか言いようのない、目も頬も乾いて落ち
くぼみ白髪の所々が抜け落ちた、枯れ果てた老人がそこにいた。

それからどれぐらいだったのでしょう・・・。

震えながら・・・いいえ、怖気を覚えて血の気の失せた顔をして
応接に戻った私は、一馬さんの向かいのソファに、へなへなと
崩れ落ちてしまっていた。奥様はまだ大旦那様のお部屋から戻
られてはいなかった。私だけ先に戻ってきたの。
一馬さん、ただただ呆然としする私を気遣って、テーブルに置か
れた紅茶をすすめてくれてね、それから静かに淡々とおっしゃる
の・・・。

「僕は三十九になりますが、これまで二度結婚し、そのどちらにも
子供がいるんですが結局ダメになりました。それも、いまご覧に
なったようなことが原因のひとつなんです。亡くなった祖母はサデ
ィスト・・・魔女だったと言った方がわかりやすいかも知れません。
祖父は養子でこの家に入ってますが、それもつまりは奴隷として
祖母に飼われていたわけですよ。しかし祖父は、そんな祖母をそ
れこそ命がけで慕ってましてね。いまから二十年ほど前のこと、
祖母が八十歳で亡くなったとき、祖父は祖母の位牌にすがって泣
いて泣いて・・・来る日も来る日も泣いてましてね。やがて祖父は
気が少し変になりました。ちょうどその頃痴呆がはじまったようで
すが、僕らには祖母の死がきっかけで狂ったとしか思えなかった。
変態と言うならまさにそうでしょうが、僕もそんな祖父の愛を否定
できなくなっていたんです」

ようやく少し正気に戻った気がしたわ。
「・・・そうですの」
「ええ。いま祖父は、ご覧になられたように生きているのが不思議
なくらいで医者も奇跡だと言っています。脳もダメだし体の方も死
んでいる。少しの飲み物と点滴以外は受け付けなくなっているの
に死のうとしない、まさに死のうとしないと言うのがふさわしいでし
ょうか。母に言わせると、ご覧になったようなことが・・・それだけを
生きる糧とするように死なないんですね」
「あんなふうに・・・きっとお婆さまだと思って・・・」
「そうです。祖父はかすかに見える程度で耳もダメだし・・・相手が
誰かもわからない・・・死体のような体になっても、それでもああし
て祖母に尽くし ているんです。誠心誠意、心を込めて奉仕してい
る。マゾヒストという、あの人なりの姿を貫いているんですよ」

そんなときよ、お母様が戻ってこられたのは・・・。

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