快感小説

流砂(五話)

「私がもう少し達者ならいいのですけど、心臓がもう辛いんです。あ
んなこと続けていると持たない気がしますわ」
お母様はすっかり息を鎮めておられて、でも疲れたようなお顔をな
さっていた。お若く見えても六十七歳。女としての悦びも体力を消
耗するという ことなのね。
そうした私の探るような視線を感じられたのか、お母様は言われた
の。
「私の亡くなった夫というのが・・・一馬さんのお父様ですけど・・・」
「はい?」
「この人はお義父様とはまるで逆の悪魔だったの。サディストでは
なくて悪魔。私も一馬さんもずいぶんひどい仕打ちを受けたものよ。
そのときに体を張って私たちを守ってくれたのがお義父様だったの
ね・・・恩人ですのよ、お義父様は。亡くなられたお義母様という人
は、お義父様には厳しくされて可愛がっておられたけれど、そのほ
か家のことには無頓着。主人のことなど、実の息子でありながら少
しだって愛してなんていなかった。ですからね、主人はあんなふうに
育ってしまった。お金があるのをいいことに遊んでばかりで、ふらり
と出て行ったきり半年だって帰ってこない。ほんとひどい家ですわ、
この家は」

一馬さんが言われたの。
「まったくね。しかしいまその父も地獄に堕ちて、祖母だってこの世
にい ない。祖父にすれば、それですべて解放されたはずなのに、
いまだに祖母に・・・いいや女王様に牛耳られているんですから」
奥様がちょっと微笑まれたわ。
「そうね、ああすることだけが命を繋ぐ糸なのよ。切れたらおしまい。
お義父様の脳裏には、若かったあの頃に一心不乱にお義母様に
お尽くしした想いだけが残っているの」
「愛・・・ですよね、きっと」
私もなぜそんなことを言ってしまったのか、思わず口をついて言葉
だった。
「そうよ、愛そのもの。うふふふ・・・いまお義父様は、命の残り火を
愛だけに捧げておいでになるんだわ・・・素敵な人です・・・」
「しかし、それと彼女とは・・・」
一馬さんの声は、途中でついえて溜息に変わっていたわ・・・。
「お願いよ、奥山さん、お義父様を愛してあげて・・・明日死んでい
く者のせめてもの救いなんです、ああすることが・・・」

「考えさせてください」 私には、それしか言葉が探せなかった。

混乱していた。ホームヘルパーって何? 終末期介護って何なの
かしら?
そして寺西の家にあるものは、ヘルパーとか介護とかそういった質
のも のなのかしら?
「この家に住むのならサディストかマゾでなければつとまらない」
一馬さんの声が耳の底でいまも聞こえる。
私は何? どっちなの? サディストならば、ああやってあの老人
を虐めることができるだろうし、マゾならば、ああやって羞恥と快楽
に墜とされることが悦びだろうし、いずれにしても、介護なんて目
線じゃないわ。愛の対象。SであれMであれ、女としての欲望で、
あの方を愛してあげることになる。

断るべきよ・・・そんなことはわかっていたの。だけどあのとき渋谷
駅で、身を挺して救ってくれた一馬さんのお役立てるものならば・・・。
ああダメよ・・・どうしていいか、わからない。
思考が空回りするだけで、十日が過ぎても悶々としていたわ。

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