快感小説

女の口(二話)

でも・・・このときはまだ、遠からず救助されると思っていた私たちです。
私たちをここまで運んだ船の船長さんが、バリ島ではなく別の島に立ち
寄ったところを地震に襲われ、倒壊した港の建物の下敷きになって死ん
でいようなどとは思ってもみないこと・・・ガイドの若い男性も離婚していて
独り住まい・・・いなくなっても行き先は誰も知らない・・・私たちも裕美枝
たちも、ものの数時間で行って戻れる外出をいちいちホテルに告げたり
はしていません。
そうなると、日本から来た四人がこんなところにいるなんて誰一人知らな
い・・・南海の孤島で携帯などは不通です・・・。

あまりのことに呆然とする女三人と男一人の中で・・・肝心の男が真っ先
におかしくなったのでした・・・男らしい冷静さを持ちながら、どうしようも
ない子供の一面が覗いてしまう・・・。
揺れが収まった次の瞬間から、鍾乳洞の中に重苦しい静寂と、そして蒸
し風呂のような熱気が満ち満ちていたのです。
その中で、ともかくも冷静な行動をはじめた彼は、洞窟の方々を見てまわ
り・・・。
「ダメだ、出られない」
「階段のところも・・・」 と裕美枝が言いかけたとき・・・。
「ダメだって! 崩れてるよ! ちくしょう! だからやめようって言ったじ
ゃないか! こんなところ・・・くだらねえ! まったくおまえはなんでそう
ミーハーなのか・・・ああちくしょう!」
裕美枝のところは、どうやら裕美枝が言い出して来たようです。彼の苛立
ちもわかりますが、喧嘩をしている場合じゃないはず・・・私たちの視線を
感じたのか、彼はふてくされながらも対応を考え出していたようです。

鍾乳洞のほとんど真上に、人が出入りできそうな割れ目はあるのですが、
なにせ丸い洞窟の真上です。ロープでも垂らしてもらわない限り、出るこ
とはできません。その他、二カ所にある割れ目は、猫でもなければ通れ
ない。
そんな割れ目のあちこちに、上にある木々の枯れ枝が引っかかり・・・と、
そんなような状況でした。
鍾乳洞は広いといえば広いのですが、見てまわるほどでもない。私たち
は完全に閉じこめられてしまったのです。
彼が、垂れ下がる鍾乳石の下に置かれたガイドさんのリュックに気づき、
開けてみると、2リットルのペットボトル一本の水、乾パン一袋、それに長
さ数メートルの細い紐、小さな折りたたみのナイフ、現地のタバコ二箱に
使い捨てライター・・・そんなものが入っていました。でも乾パンなどは袋
が古く、いつのものかも知れません。
そしてその他、私たちと、裕美枝たちがそれぞれ持ち込んだものがあり。
少しのお菓子とか、小さなペットボトルのジュースとか・・・。

女三人が見ている前で、それらをひろげた彼が、洞窟を見回しながら言
いました。
「食い物と水か・・・枯れ木はあるし・・・ライターもある・・・」
そんな彼に裕美枝が言います。
「じきに助けに来てくれるでしょう?」
「わからんだろう! 地震でやられてるかも知れんし・・・くっそー! なん
でこんな目に・・・あーちくしょう!」
「そんな怒らなくても・・・」
「ちぇっ・・・」 と悪態をつきながらも、そこは男・・・彼は私たち姉妹も含め
て見渡して、言うのでした。
「あんたらもそうだけど、ここは暑い。水が切れるとヤバイんだ。食い物だ
って一日分もありゃしない・・・」
と言いながら、ガイドさんが崩れた岩もろとも呑み込まれた、洞窟の傾斜
の下の暗い海を見ます。
「見てみろよ、水の底が暗いだろう、光がまるで射してない。少しぐらい潜
ったところで外には出られないってことさ。 しかし・・・うむ・・・」

考える素振りをした彼が・・・リュックサックの肩ベルトに細紐の端を結び
ながら、私たち女が、そのときまだ思ってもみなかったことを言い出しまし
た・・・。
「誰でもいい、クソしたくならないか」
ハッとしました・・・そうだわ、閉ざされたこの中で・・・恥ずかしいなんて言
ってられない・・・。
女三人、動転した気も収まって・・・いっぺんに現実に引き戻された感じ
です。
「リュックの中にクソを入れて沈めておくのさ・・・カニとかエビとか食い物
が集まってくるはずだ。雨でもなければ水がない。水は食い物から摂る
しかないんだ・・・そうやって何かが獲れれば、次にはそいつを餌にタコ
とか・・・そういうものがいればの話だが・・・」
言いながら彼・・・服を脱ぎだし、ブリーフだけの裸になって・・・。
「あんたらも脱ぎな。極力汗をかかないように、水でも浴びてないと持たな
いぞ・・・なんてこった・・・ちくしょう・・・」

それから彼は・・・リュックに一度結んだ紐を解きはじめ、私の持っていた
飲みさしのジュースの小さなペットボトルの首に結び・・・中にジュースを
入れたまま口を固く締め・・・岩盤の割れ目に引っかかっていた枯れ枝
に向かって投げ上げて・・・いとも簡単に、枯れ枝を引きずり落とし、ナイ
フで小枝を削ぎ落としていったのです・・・。
「薪にするんだ。煮炊きもそうだが煙で人を・・・こんなところに船なんてい
るのかどうか・・・ちくしょう・・・あーくだらねえ!」
彼はつまり、こんなところに行きたがった彼女への嫌味を言いたかった
のでしょうが、聞いていて気分のいいものではありません。二人の間は険
悪そのもの・・・気まずいったらありゃしない・・・。
それに・・・私たちにすれば、上下の下着姿になった私たちへの性的視
線も気分が悪く・・・まして、トイレのことなど最悪です。
鍾乳洞には大きく育った石筍もあり、しゃがんだときの腰から下を隠す場
所はあるのですが、ポケットティッシュなどはすぐになくなり、それからは
ハンカチで拭いては傾斜の下に降りて海で洗う、そんなありさま・・・。
広いといっても狭い洞窟・・・穴があって風が抜けるといっても匂いはこも
る・・・考えないようしようとしても、男の人の気配はどうしようもありません。

便は捨てずに置いておき、彼が枯れ枝を箸のようにして、便を取っては
リュックの中に入れ、海に沈めて罠にする・・・女にとってそれがいかに
恥ずかしいことか・・・臭いし汚いし・・・
でも・・・その罠の効果はそこそこあって、小さなカニやエビが獲れたので
す。一日に一人数匹のカニとかエビとか・・・それと水は、地震のあった
翌日に雨が降り、洞窟の低いところに水たまりができていた・・・。
なんとか死なずにいられる・・・そんな日々が続いていました。
「うるせえ! だいたいてめえが言い出さなきゃ、こんなことにはならなか
ったんだ! こんなところで死にたくねえぞ、くそったれ!」
彼の苛立ちはますますひどく、私たちが裕美枝を守ってあげなければ、
殴る蹴るの暴力になりかけて・・・。
裕美枝が私たちのそばで呟きます。
「私もう・・・」
「え?」
「彼とはダメ・・・ここを出られたら・・・もうイヤ・・・」
「そうね・・・男らしくないというのか・・・」
「お二人ともごめんなさい・・・彼、ああゆう人なんです・・・」

裕美枝は、彼とのことに迷いがあったと打ち明けました。暴力的なところも
あって・・・でも年下だからと我慢してきたと言う・・・。
そしてそれは私たちに対する態度もそうでした。最初のうちの遠慮もなく
なり・・・私や姉がトイレでしゃがんでいるのに平気で覗くようになっていた。
私たちだって空腹で・・・喉が乾いて・・・洞窟が臭くて臭くて・・・イライラし
ていて・・・。
「ちょっと、見ないでよ!」
姉の声に私と裕美枝が振り向くと、姉はトイレ・・・ウンチでした。
「ふふん・・・しょうがねえだろ、閉じこめられちまってるんだから。しかしよ、
あんたら二人、いい女じゃん・・・いいカラダしてる・・・ふふふ・・・」

裕美枝が可哀想です・・・私たちに気を遣い、小さくなって、謝ってばかり
だし・・・。
精神的にもそうですが、肉体的にも、もはや限界・・・罠に何もかからなけ
れば食べるものがありません。水だって、雨でできた水たまりは減ってい
き・・・このまま雨がなければもう・・・。


「おおい! 中に誰かいるのか!」 と怒鳴っているらしいのですが現地
の言葉はわかりません。
煙でした。煮炊きの煙を、通りがかった船が見つけてくれたのです。
「助けてー! ヘルプ! 助けてぇー!」
「誰かいるぞー! おい、無線だ無線! ロープ持って来い!」
現地の言葉の怒鳴り声です・・・助かった・・・そう思ったとき、私たちは抱
き合って泣きました・・・。

地震から一月ほども過ぎていた・・・助かったのが奇跡です。

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