快感小説

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着せたい男と脱ぎたい女(十話)

 男女の予感は最初からあった。くるみ茶房で再会
したそのときから、これは運命だと考えた。
 三矢知明というこの人の心の中に居場所はあるの
かと探るような日々だったと亜紀は思う。

 夕刻になって店は混みだし、私がいてもバタバタ
するのに、それをこの人はずっと独りでやってきた。
心のど真ん中に失った部下への思いを抱えながら、
たった独りでもがいていたんだわ。そう思うとたま
らなかった。
 きりきり軋み、切れてしまいそうなほど張り詰め
たものを抱えながら、お客や私に笑ってくれる。と
ても勝てない男の生き様に亜紀は打ちのめされてい
たのだった。
 七時半をすぎる頃に客足は止まる。その日にもよ
るのだったが、なぜか今夜は外に人が歩いていない。
 ふと見ると、それもそのはず、いつの間にか弱い
雨になっている。部屋を出るとき天気がよくて傘な
んて持ってきてはいなかった。

「雨か。今日は終わり。急に冷えてきたからね」
 レジのそばに立って外を見ながらマスターは言っ
た。
「とっとと閉めて飯でも行くか」
「うん行くっ」
 嬉しかった。くるみ茶房の初日。特にお洒落をし
て出て来たつもりもなかったが、リセット最初の節
目の日。誘ってほしいと思っていた。
「明日は休もう」
「えー?」
「うむ、そうしよう。ドライブにでも行くかっ」
 亜紀はすぐには応えられず、けれども目を丸くし
た。嬉しさが普通じゃないと自分でも驚くほど浮き
立つ心に戸惑った。
 この人を愛してしまった。いつの間にそうなって
しまったのかと、そのことに戸惑ったのだ。

 例によってシャッターを半分降ろしてホールの明
かりを消してしまう。夜のムード。カウンターの周
りだけに温かい白熱球の明かりが灯る。
「今日はご苦労さん、来てくれて助かったよ」
「ほんと? わたしが来てよかった?」
「うむ、よかった。じつは毎日へとへとでね。しか
し亜紀ちゃん」
「はい?」

「君こそだぞ。学校はもはや過去、前を見て歩けば
いい。明日はリセットを記念して海にでも行こう」

 私とは比較にならないものを背負いながら、あべ
こべに元気づけようとしてくれる。
 女心がしなだれ崩れた。一言の言葉さえ忘れてし
まい、一瞬白くなった意識が戻ったとき、亜紀は涙
を溜めて男の胸に抱かれていた。
 知明はそれを、教師を追われるような形となった
口惜しさだと受け止めたのかも知れなかったが、そ
うではない。
 頬の傷を隠す髪に手を入れて、戦いの勲章のよう
な醜い傷を亜紀は撫でる。

「カッコいい。マスターこそ気にしちゃダメ。素敵
ですマスターって」
「亜紀ちゃん」
「ドライブ行く。お店閉めたらすぐ。いますぐ」
 ドライブは明日のはず。しかし亜紀はすぐ出たい。
一度部屋に戻ってしまうと悲しくなって眠れそうに
ない。

 男の眸と、睫毛の濡れる女の眸が見つめ合い、亜
紀は目を閉じ、唇が重なった。
 何もかもをつつんでくれる男の大きな心が口移し
に流れ込んでくるようだった。
「あたし怖くなったの。彼のことは好きだったけど、
でもいつまで好きでいられるか自信がなかった」
「うむ」
「二十代のうちに決めておきたい。打算があること
に最初から気づいていたし、彼を愛そうと努力して
いる自分がいるって気づいてた。いつかきっと壊れ
てしまうと思ったの」
「うむ」
「最後にね、彼に抱かれてさよならしたの」

 それきり亜紀は泣き崩れた。結婚を引き返してし
まったことにどうしても整理がつかず、苦しくて苦
しくて旅に出た。

「亜紀」
 体がしなるほど抱き締められて、唇を奪われた。

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