快感小説

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着せたい男と脱ぎたい女(十五話)

 結婚を前提にしない。それは次の相手が誰であろ
うと、そこから引き返したときに決めていたことだ
った。夢ではない現実にある女のワンステップ。三
十歳まで遠くない亜紀にとって結婚がそういうもの
であっただけに、考えてしまうと打算につながらな
いとも限らない。遊びではない想いだけで充分だっ
たし、むしろその方が気が楽だった。
 数日が過ぎていく。店が楽しい。二人で創りあげ
る作品のような時間が嬉しい。マスターとのことは
もちろん、お客に囲まれて笑っていられる和やかな
雰囲気に身を置いたことがない。個人の喫茶店だか
ら余計なマニュアルに振り回されることもなかった。

 互いに独り暮らしなのだが、そこは一線引いてお
く。どちらかに泊まる癖がつくとなし崩し。外で会
い、互いに遊びに行くのだが、歩いても二十分ほど
の距離であり、泊まらず帰る。
 けじめ。大人のスタンス。いいや違う。亜紀にと
って踏み切れない気持ちがあった。娘の美香に会え
ていない。隠れてこそこそしているようで悲しくな
る。知明との関係を後ろめたいものにはしたくない。
 知明もそこは考えてくれている。高一は揺れる時
期だし、すり合わせを誤ると壊れかねないと、父と
しての責任にもとずいて考えている。
 ますます好ましかった。美香は十六。まさしく親
子ほども歳の離れた弟か妹ができるということは穏
やかではいられないし、実の母への想いがどうなの
かも考えてやらなければ可哀想。
「いまは言うな。それも含めて何も背負うな」と言
ってくれた強い言葉を信じていた。

 そして土曜日。休日は昼前ぐらいから混みだして、
日によっては夜までお客が切れないものだ。休日で
もランチメニューはあり、若いお客ばかりに囲まれ
て余計なことを考えている暇もない。
 亜紀は知明との夜からこちら、上はブラウスか襟
のあるシャツと決め、下を合わせた。ミニスカート
かパンツなのだが、教師だった頃と大差ない、どこ
へ出ても恥ずかしくないスタイルを通していた。
 エプロンをするから適当でいいよと言われていた
が、くだけ過ぎたスタイルにはなりたくない。
 胸を張って誇っていられる男性よ。尊敬の思いが
そうさせるの。もちろん口にはしなかったが、お客
に対してマスターの凄さを表現したいという気持ち
がある。ベッドタウンでも常連ばかりではない。私
を見て彼を知って。それは知明を愛した亜紀のプラ
イドのようなものだった。

 しかしその日、七時を過ぎたばかりの時刻なのに
マスターは店じまいの支度をはじめる。早過ぎる。
「娘を呼んだ。じきに来る」
「あ、はい。でもそれは?」
 聞かされていなかった。
「電話でちょっとね。会わせたい人がいると言った
ら行くと言って」
 怖かった。青ざめていく自分をはっきり感じる。
 チリン。ドアベルが鳴ったとき、亜紀はホールの
掃除にかかっていた。
「いらっしゃいませ」
 とっさに言って振り向いた。娘の美香がそこにい
た。全寮制の名のある私立の女子学園。色の浅い髪
染めを許さない厳しい校風。栗毛を濃くしたような
ほとんど黒髪。背丈も亜紀ほどと大人の体。ジーン
ズミニだがフードのあるグレーのダッフルコート。
 目鼻立ちの整った綺麗な子だが知明には似ていな
い。それもまた怖くなる。母に似てくる自分の姿を
思春期の娘がどう感じるのか。

 美香は、入るなりチラリと目をやって浅く頭を下
げ、カウンターの前に来て小さな手提げ袋を父に渡
した。お土産でもあるのだろうと亜紀は思う。
 そしてそのままカウンターに座り、亜紀がお冷の
グラスをそっと置く。手が震えた。美香は明らかに
よそよそしい。
「こちらが亜紀さんだ」
 美香は微笑んでうなずくと、そのときはじめて身
をずらして亜紀に向かった。
「はじめまして、娘の美香です、お話は少しだけ父
から」
 微笑んでくれてはいるが眸が笑っていなかった。
「亜紀です、はじめまして。マスターにはお世話に
なっています」
 膝が震える。射すくめるような静かな視線。
「さてと。じゃあ亜紀ちゃん、シャッターを。早く
閉めて出よう。今夜はピザでもとろう。美香の好物
でね、ウチに帰って一緒に食べよう」

 寒気がする。外で食べるのではない。父と娘の家
に呼ばれて一緒に過ごす。それは美香に対する正式
なメッセージということだ。
「あたしが言ったの、そうしようって。学校がうる
さいのよ。親の家に帰るんなら土日は自由にしてい
いんだけど、いちいち親のサインがいるのよね」
「あ、そうなの?」
 美香の視線はまっすぐだった。あなたのために呼
び出されたのよ。どういうこと? と、問い詰めら
れているような気がしてならない。

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