快感小説

蒼い月~ディープランナー(一話)

「じゃあな」
「うんっ。でもいいなぁ北海道って。あたしも行きたぁい」
「バカぬかせ、走り切ったらヘトヘトだぜ。何キロあると
思ってやがる」

 隣りのご主人が出かけるなと思って聞いていた。長距離
トラックの運転手。三十代の半ば過ぎの若さなのに一千万
近くはする自前のトラックを持っていて、走った分だけ稼
ぎになる。列島の北の果てから南の果てまで出かけていく。
不景気もあってそのぐらいしないとやっていけないと若い
妻がこぼしていた。
 夫人の名は益田久美子。十歳以上も年下の、いまどきの
可愛い子。巨大なトラックを操る姿は男っぽくてカッコい
い。結婚から半年ほどの新婚さんだ。
 そのとき枕元の時計は十時前。旦那を送り出すため一度
は起きた美由起だったが、二度寝した。

 目覚めてみると体が軽くなっている。夏の終わりにひき
込んだ夏風邪が抜けきらず、それに生理が重なった。美由
起は重く、はじまる初日は身を丸めて唸るほど下腹が痛く
なる。
 結婚二年で子供はない。最初の一年避妊はしたが、それ
からはなりゆき任せ。なのにちゃんと生理が来る。
 OLだった。二十八でゴールイン。子供ができるまではと
共働き。夫は同い年のサラリーマンで、名は篤史。パソコ
ンソフトの開発会社に勤めていた。オフィスだけが職場の
美由起は、ほぼ定時にアウトする。けれども篤史は優秀ら
しく、次から次に仕事を背負って帰りが遅い。

 妊娠しない。そのことで気がつけば美由起は三十を過ぎ
ていた。オフィスにいてもなんとなく居づらいムード。結
婚を祝福してくれた若いOL仲間たちにも子供ができるまで
と言ってある。
 なのにできない。ずるずる留まる美由起はオフィスレデ
ィではなくオールドレディになりつつあった。上司の目も
冷ややかで、いつまでいるんだよと顔に書いてある。

 そのムシャクシャもあって今日は休んだ。風邪はほとん
どよくなって、しかし腹は刺し込んだ。起きてもどうせ動
けない。たまにはいいかと美由起はまた布団をかぶった。
遮光カーテン。閉めてしまえば夜になる。

「あっあっ、あぁん! うぃぃーっ、ああイッちゃうーっ、
きひぃぃーっ!」

「はぁ?」
 とっさに時計を見ると時刻は二時前。隣戸から金属的な
アノ声が抜けてくる。こちらが休みで家にいるとは思って
いない。五階建ての賃貸マンション、その五階。隣戸は角
部屋であり隣はウチしかないのだから。迂闊だわよと美由
起は思う。
 全室2DKの賃貸は若夫婦向けであり、日中のいまほとんど
人がいなかった。共働きの夫婦が多い。結婚したからって
専業主婦になりたがる女は少なくなってきているようだ。

「おいおい、なんだよそれ、ひっどい女」

 腹が立って布団をかぶる。
 それにしても壮絶なイキ声。溜息をつきながら美由起は、
そう言えばそこまで狂ったことはないと考えた。夫のこと
は愛してしたし、それまでに通過した彼とだってラブラブ
で、濃密なセックスをしてきたつもり。
 しかしアクメは浅かった。失神したとか潮を噴いたなん
て話が信じられない。声だってひそやかに漏らすぐらいの
ものだろう。

「きぃきぃ何よ、牝猿か、おまえは」
 無性に腹が立つ。わけもなくイライラする。
 人並みに女を生きてきて、しかし美由起は男を重ねたこ
とはなかった。一人を愛し、壊れて傷つき、次の人に巡り
合う。それが女だと思ってきた。
 新婚ですでに不倫。それも夫の留守をいいことに家に男
を引きずり込んでまで。
 せっかく休もうと思ったのに心が乱れて横になっていら
れない。ベッドを抜け出し、といって子宮が痛くて動けな
い。
 悶々とはしていない。もやもやする。正体不明のもやも
やが心を覆っていくのだった。

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