快感小説

蒼い月~ディープランナー(十話)

 十月の下旬。本山とのベッドから一月ほどが過ぎよう
としていたが、信じられないほど乱れに乱れためくるめ
くセックスは鮮烈な映像となって消えてはくれない。

 月曜日。先週の金曜付けで退社。土日を夫と過ごし、
美由起はバイクに乗っていた。天候はいい。荻窪を発っ
たのは午後になってから。関越に乗っていた。午前中は
家事をして夫のために夕食のカレーを準備してそれから
出た。
 都内から続く平地を走っているぶんにはよかったのだ
が、高度が上がってくるにしたがって風が冷える。ライ
ダースーツの下にはバイク用の冬の下着を身につけてい
た。ブーツにグローブ。冬の装備はしていたが、それで
もかなり体が冷える。ライダースーツも見た目こそカッ
コはいいが、本格的なツアラーが着るものにくらべれば
安物だったし、フルフェイスのヘルメットから出る首の
ところが氷のようだ。マフラーを忘れてしまった。どこ
かSAで探してみようと考えた。

 赤城高原SA。時刻はまだ二時過ぎなのに都心とは明ら
かに違う山の空気。体が芯まで冷えていた。昼食は済ま
せて来ている。熱いコーヒーを流し込み、買ったばかり
のマフラーを首に巻いてスタートする。冷え方がまるで
違う。首筋が冷えたことが大きかったようだ。
 行き先を思うと、これほどロングのソロツーリングは
はじめて。上越JCTから折れて中央道を経由するにしろ、
その先の東海北陸自動車道まで行くにしろ、名古屋側に
出ようとすると日本の中心を一周する感じになる。
 宿など決めていなかった。適当に高速を降りてラブホ
でいい。独りきりの適度な不安も心地よかった。思いの
ほかビビリ屋だったと自分でも可笑しくなる。適度に怖
くて寂しい思い。太平洋側に出て清水インター。本山の
胸に飛び込んだときの喜びを思いながら走ってみる。こ
んなことはなかったと美由起は思う。

 関越トンネル。去年のスキーはこっちには来ていなく、
ほぼ二年ぶりのトンネル。夫と恋人だった頃の思い出も
蘇る。トンネルを抜けると越後。湯沢から石打へ、そう
言えば記憶にある懐かしい景色。
 関越は距離そのものはたいしたことはなく、ほどなく
長岡JCT。北陸道を富山の側へ。今日は日本海が見えは
じめるまで走ろうと決めていた。山を下って向こうへ降
りると気温は上がってくるのだが時刻が夕刻。結局寒い。
 米山SA。ここで軽く食べようと美由起はスピードを落
としていた。夕食前のタイミングだったからかSAはスカ
スカだ。

 美由起がバイクを停めてヘルメットを脱いだとき、ち
ょうど背後から見覚えのあるバイクがやってくる。左の
バックミラーがない。トイレに立ち寄った越後川口のSA
で言葉を交わした男の子。
 中型の400CC。藤井と言う。二十五歳だと言っていた。
 ドジなやつで、山岳コースを走っていてすっ転び、左
のバックミラーを折ってしまう。綺麗なブルーのバイク
も傷だらけ。しきりにしょげていた男の子。ナンバーは
横浜。そのときから気になっていたプレートだった。平
日なのに、それも独りで?
 片側のミラーが毟れただけで走ることには問題ない。
青いバイクは美由起の姿を見つけるとまっすぐに寄って
来る。黒と茶のコンビのスーツ。路面を転げまわった傷
が全身についていて、ヘルメットに特に傷が激しい。

「また会いましたね。なんか嬉しいっす」
「てか、もしや君、尾けて来てない? ふふふ」
「まさか。たまたまっすよ」
「横浜なのにこっちにはどうして? 帰郷?」
 横浜のレストランに勤める若いコック。夏から休みを
取っていなく、まとめて数日休んだらしい。
「それにしても独りで? 友だちとかはいないの?」
「バイクのときは、いつもソロで。つるんでワイワイな
んて性に合わないっすからね」
 へえと思った。背もまあ普通だったし、いかつい感じ
でもない。コックだからか、いまどき角刈りヘッドだっ
たが、目のくりっとした童顔青年。はっきり言って弱そ
うだ。
「あらそ。なんかミスマッチよね。見た目と言うことが
合ってない気がする」
 それで食事。藤井も食事のために立ち寄った。一緒に
ということになり同じテーブルに着く。
「はぁぁ」
 可哀想な溜息。
「バイクですよ。またしても給料吹っ飛ぶ。あははは」
「生きてるだけめっけもんよ、どうせ無理したんでしょ」

 でもないようだ。山の中のカーブに突っ込んだところ、
落ち葉の吹き溜まりに足をすくわれて滑った。スピード
はそれほどでもなかったらしい。
「まあ確かに。バイクは直せばいいっすもん。ちぇっ」
 強がっていてもショックなのだろう。愛車を傷だらけ
にしてしまった。生まれは山梨で学生の頃から横浜に住
んでいるという。
 ハンバーグ定食。ガツガツ喰う姿を見ていて、ハンバ
ーグが大好物の夫を思う。ハンバーグとかカレーとか、
この藤井も子供みたいで可愛い。
「そんで、お姉さんは?」
「何が?」
「練馬ナンバー。今日は平日。まだ名前も知らないし」
「ああそうね、言ってなかった。美由起よ。こう見えて
も人妻さん。会社を辞めたの。気晴らしにツーリングっ
てところ」
「あそ。気晴らしと言えば俺もそうかな」
「ほ?」
「失恋すよ。うん、捨てられた。あっはっはっ」

 パッと笑って、けれどもすぐに弱い目をする。女心が
疼きだす。やんちゃなタイプ。けれども若い紳士だわ。
 攻め込む性。本山の言葉が脳裏によぎる。この子って
どんなだろう。美由起は突如して性欲の衝き上げを感じ
ていた。
「藤井くんて、宿は?」
 藤井は飯をほおばっていて口がきけない。決めてない
と首を振った。
「ところで、お歳は?」
「ちょうどよ」
「ほほう、四十には見えないなー、いやぁ若いっす!」
「ぶっ飛ばそうか」
「うぷぷっ、あははは!」
 フィーリングが合う。美由起の眸が輝いた。

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