快感小説

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抜け落ちたピース 三話

 森はやさしいよ。けれども
 ゾッとさせる冷気も漂う。
 美しい女神も棲めば、
 死神も悪魔もひそむということだ。
 人は誰しも強くない。
 気の持ちようで、闇風にゆれる
 弱い木々が魔物に見えたりするものだ。

 ゴリラのヤツは向こうを向いてチェーンソーを分解していた。幸子
は、まだ新しいノートをこっそり開いて読んでいた。

 美しく生まれた幸せを俺は知らない。
 愛することはできても、
 愛されることの喜びを知らない。
 何もかもから切り離されて、独りになって、
 泣きたくなると、この小屋にやってくる。
 愛してきたよ。愛してきたんだ。
 けれども俺は、愛されるには醜すぎる。
 
 涙で文字が揺れていた。このゴリラ、なんて達筆。さらさらと書か
れているのに、女の書いた手紙のように、どの文字もやわらかい。

「・・そんなことないわ」
「おし、できた! これでいいだろ」

 幸子の呟きが、チェーンソーを直し終えたゴリラの声と重なった。
 振り向くゴリラ。幸子の涙と、手元のノートを交互に見ている。
「おわ、読むなー、タコ!」
「・・だって」
「返せー!」
「ヤだ!」
「ガォォーッ!」
 ゴリラ、両手を掲げて笑ってる。
「うふふっ! ばーか!」
 明るくというよりも、わざとおどけたふりをして、子供みたいに口
を尖らすこのゴリラ。私をヘコませないよう気遣ってくれていると、
幸子は感じた。女の一人旅なんて傷心と向き合うもので・・。

 ノートを返した。
「ごめんなさい」
「いや、かまわんが。恥ずかしいだろ」
「できたの?」
「何が?」
「それ直ったの?」
「ああ、コイツか。話をトバすな。どうにか直ったと思うよ。テスト
しなきゃわからんが、これでいいはずだ」
 重そうなチェーンソーをつかんで立とうとするゴリラ。
「あなた、おいくつ? 私は三十一、子供なしよ」
「三十六」
「ご結婚は?」
「ん? はははっ、いいじゃねえか、そんなこと。さてテストだ! 
動いてくれよー! 捨てるぞコノヤロー! わはははっ!」

 小屋を出たゴリラ。幸子は追って外に出た。
 小屋の裏手に、切り揃えられた薪とは別に、太いの細いのさまざま
な材木が投げ出されてあったのだった。切り出した杉の端材。草の中
に転がっていた太くて短い一本を、ゴリラは軽々と抱えて立ち上げて、
そして言った。
「離れてろ、危ないぞ」
「うん」
 チェーンソーの、取っ手のついた紐を勢いよく何度か引くと、エン
ジンがけたたましい音を響かせてスタートした。

 チェーンソーの実物なんて、はじめてだった。
 ゴリラの太い二の腕、もりもりと隆起した肩、分厚い背中、引き締
まった岩のような尻。そのどれもが見たこともない山男の逞しさ。
 エンジンが一際うなりをあげて、太い材木をあっと言う間に切り刻
んでゆく。木屑がゴリラの体にバラバラ飛ぶが、そんなものはものと
もしない。

 本城。強い。けれどきっと、すごく繊細な人なんだ・・。
 どことなく寂しそうな横顔を見ていると、たまらないものがこみあ
げてくる。女は、男の強さに憧れるし、安住するが、弱さを持たない
男なんて愛せないと思ってきた。

「おし、おっけ! 直ったぜ、いい感じだ!」
「そう、よかったわね」
「うむ、回転ムラがあったんだが、しばらくこれで使えるだろう」
 女には重そうな機械を片手に軽々と持つゴリラの力・・圧倒される。
「かっこいい」
「あん?」
「かっこいいわ・・あなた」
「ぶははっ、よせやい、くすぐったい。わっはっはっ!」

 なぜだかまた、ゴリラの顔が涙で揺らいだ。
 森の風に押されたように、幸子は、ゴリラの胸板に吹き寄せられて、
体をあずけた。女を傷つけないよう右手一本でチェーンソーを遠ざけ
て掲げたまま、左腕で抱きとめる、ゴリラ。
「お、おい・・」
「可愛い人」
「なに?」
「あなたよ。とっても可愛い」
「わは・・わははの、はーダ! この俺が可愛い? わはははっ! 
そんなこと、おふくろにだって言われたことねえや。猿を産んだと嘆
いてやがる! わっはっはっ!」
 そうやっておどけてみせて気遣ってくれている・・やさしい人だと
幸子は思った。

「ごまかさないで。欲しいならしっかり抱いて」

 そっと抱きとめていたゴリラの左腕に逞しい男力がみなぎった。筋
肉の塊のような胸板で乳房が潰れ、抱かれているのに、口づけはすご
くやさしい。山男の汗の匂いも女をクラクラさせるに充分だった。
 抱かれていながらゴリラの股間に手をやった。

「・・すごい」

 チェーンソーを小屋に置き、ゴリラは幸子に背を向けた。
 Tシャツ、ジーンズ、トランクス・・パパッと脱いで、ゴリラのヌ
ード。幸子は目を逸らせずに見つめていた。テレビで見るマウンテン
ゴリラから毛を抜けば、こんなふうかも知れない。岩のような肉体だ
ったが体毛はそれほど濃くない、ヘンなゴリラ。
「水浴びだ」
「うん」
 素っ裸のまま、幸子が使ったその同じタオルを握って出て行くゴリ
ラ。小屋から沢までは遠くはないが、山のコブを越えていくので全裸
のゴリラがすぐに見えなくなってゆく。

 廃屋のような小屋に独り。幸子はまた不思議な思いにとらわれてい
た。独りはいやよ。ジグソーパズルのジャングル絵から、ゴリラのピ
ースが一枚抜けて、穴が空いてしまってる。

 シャツ、短パン、それからブラも。パンティだけは、やっぱり脱げ
ない。小屋を出て、幸子はゴリラを追いかけた。

 流れの溜りに浸かり、両手でバシャバシャ水をかけるゴリラ。その
姿に野生のオスを感じてしまう。背後に歩み寄る気配を感じてか、タ
オルを絞りながら向こう向きのままゴリラが言った。
「さっきな」
「うん?」
「あんたを見てて欲しくなった。いい女だと思った。でもよ、同情す
るならいらんぞ」
「違うわ、そんなんじゃない」
 ゆっくりと振り向くゴリラ。パンティだけの裸の女体に目もくれず、
ただ目だけを見つめる厳しい眼差し。流れの溜りの二歩ほど手前で、
幸子は、その視線に射すくめられて歩みを止めた。

「・・自分でもわからないの」
「うむ」
「でも」・・と言いかけたとき、ゴリラが毅然と二の句を封じた。
「もういい、悪かった、来いや」
「う、うん」
「幸子」
「え?」
「脱げ」
「・・」
 とても拒めないゴリラ言葉で脱げと言われ、幸子の心は震えていた。
嵐のような性の予感が駆け抜けて、その場にへたり込みそうだった。

 抜け落ちたピースを見つけた・・頬が燃えだしそうに熱かった・・。

 幸子はパンティに手をかけた・・。

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