快感小説

蒼い月~ディープランナー(二一話)

 半月前の野獣とのセックス。SMチックな全裸露出
も鮮烈な記憶だった。そして女同士で燃えた裕美との
セックス。その二人に見つめられながら脱いでいく羞
恥は、そのまま期待の震えに置き換わって美由起を濡
らした。
 全裸になった美由起を千尋は見つめる。このとき千
尋は黒い革の上下の姿。着いて間もなく美由起が着い
たということだった。

「おい」
「はい?」

 キュンとする。素っ裸。乳房と前を隠しているのに
脚を開かされているような恥ずかしさ。
「聞いたぜ。早く抱いてやれるようになれって言われ
たそうだな」
 美由起はうなずき、ずいと歩み寄った巨木のような
男にすぽんと抱かれた。革の匂い。男の匂い。安堵の
抱擁。千尋からパワーが流れて来て女体が吸い取って
いくようだった。
「ひとつこれだけは言っておくぞ。あんときおまえは
抱かれたが、この俺を抱いたのよ」
「え?」
「退路を断って挑みかかる牝を感じた。器は濡れるた
めに存在する、女のアソコを創ってみろと言われたと
き感動したぜ。牝のおまえに自信を持て。終えた人生
は忘れろ。終わったのではなく、おまえが終えた人生
だろう」

 そうだわ、そのとおり。美由起は離婚が自分の意思
だったことを否定できない。
 この瞬間、吹っ切れていた。
「はい!」
「うんうん、ほれシャワーして来い」
 バシーンと今度は素肌の尻をひっぱたかれる。大き
な手の痕が白い尻に滲んで浮かぶ。ヒリヒリするほど
の痛みをさすりながら後ろを向くと、千尋は言った。
「俺は許す」
「あたしもね、許しちゃう、うふふ!」
 裕美の声が重なった。
 背を向けたまま美由起に涙が流れていた。切り捨て
たように過去は終わった。後ろ髪を引くものを二人が
断ち切ってくれたと感じていた。

 シャワーを済ませると、部屋への上がり口に女物の
パジャマと黒いローブがたたんであった。下着を着け
ずにパジャマを着込み、厚手のローブを着ると暖かい。
 牛の脂の匂い。肉の香り。テーブルにコンロが置か
れて裕美が作ってくれている。すき焼きは小皿に卵を
割るのだが、美由起の器だけが違っていた。持ち手の
ない深い小鉢のようなもの。黒く錆びた和の器だ。
 小鉢じゃない。茶器だと美由起は思う。
「それ作品なのよ」と裕美が言う。「千尋の傑作。い
ちばん気に入ってるお茶碗なんだから」と裕美は笑う。
 卵を割って食べようとしていた美由起に千尋は笑う。
「おまえにやる」
「え、だってダメだよそんな」
「かまわん。気持ちだ。この数年の最高傑作。自分で
言うのもなんだが、おいそれとできるもんじゃない。
おまえにやる。器は使われてこその器。飾り物じゃな
い。あたりまえのことなんだが思い入れが高じて美術
作品を追いかけすぎた。ありがとな美由起」

 美由起は器を両手に取ってじっと眺めた。どこがど
ういいのか、ちっとも。
「じゃあ、もらう。大事にして、でもいろいろ使うか
ら」
 黒い器を見つめる美由起。裕美がパンと手を打って
気分を変えた。
「さあさ、食べよ食べよ。たくさんあるからね。野獣
がいるから、たくさんないと足りないもん」
 家族。これは家族の食卓だと美由起には思えた。と
てつもなく大きなものにつつまれている。この安堵を
真司のために私も創る。いつかきっと千尋も裕美も呼
んであげて食卓を囲みたい。

 あのときパンクしなければ、こんな幸せはめぐって
こない。夫と別れることができなくて真司とだって壊
れていたかも知れない。
 美由起は、器に取り分けて卵の絡んだ肉と野菜を見
つめて言った。
「パンクしたのがすべてでした。ほんと言うと千尋の
こと怖かったの。ハーレーも怖かった」

「自分を汚したかったんだもんね? そうでしょ美由
起?」
 真司と同じことを裕美にも言われた。
「ちょっと待てぃ。おい、俺は汚物か?」
 上目がちに美由起は笑って裕美と目を見合わせる。
「喰ったら露出! 素っ裸で叩き出してやるからな!
はっはっは!」
 わずか半月前。三十年の人生を終えた一瞬だった。

 美由起は心が溶けていた。千尋や裕美を抱いてあ
げたい。心のすべてを傾けて抱いてあげたい。
「美味しい。生涯できっといちばん美味しいもの」
 美由起の眸は潤んでいた。

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