快感小説

新・如月夜叉(四話)

四話~密やかな喘ぎ


「はぁぁ・・おぞましきかな女人の性(さが)よ・・死せば地獄・・わたくしなど死せば鬼の慰み者・・はぁぁ・・あ、あ、くぅぅン」

 男を下に、屹立する強いものを濡れそぼる女陰に喰らい、素裸となった白い百合花は、腰を振り立て達していった。男の手に熟れた乳房をくるまれて揉みしだかれ、腰を浮かせては打ち付ける激しい性に耽溺する。
 けれども声は穏やかだった。くぅぅン・・と子犬が甘啼きするように密やかな喘ぎを漏らし、がっくりと裸身を折って崩れていく。

「そなたとは死してなお夫婦でいよう。共に逝こう。地獄であるならそれもよい。愛しきおなごよ、ああ百合花・・」
「嬉しいわ瀬田様、抱いておくれ、もう一度・・幾度でも夢の中へと誘って・・」
 二度目の性は穏やかだった。瀬田昌利は数えでひとつ下の三十九。いきり勃つ若さから穏やかな勃起へと変わりゆく頃。
 それに比べてひとつ上の百合花のほうが、あさましく性を貪って、樹液を喰らう獣のように果てていく。
 昌利は、そうした百合花が愛おしく、二度果ててなお裸身を抱き、手放そうとはしなかった。

「まただそうだな」
「ええ・・今度は呉服問屋の若いお内儀。酷いやり口が許せない」
「おしろい般若とは人を喰った名だ、許せぬ」
「おそらく女の仕業でしょう。弱い女を相手にあれほど酷いことをやってのけられるのは女をおいてありません」
「女は怖い・・そなたもそうか?」
「はい、わたしくしも・・ふふふ・・ああ瀬田様ぁ、愛おしや、愛おしや、わたくしの瀬田様ぁ・・」
 むしゃぶりついて百合花は抱かれた。裸身を絡めて抱きすがり、そのまま闇へと転がるように眠ってしまう。
 瀬田昌利は三男ながら、登城して江戸のために働く男。月に数度の逢瀬が夫婦としての時だった。尼僧から煩悩に憑かれた女であり、ましてや身分の知れない年増の女では妻として到底認められるものではなかった。

 しかし百合花は、それを悲しく思わない。一度は捨てた女人の性に戻れたことが何より嬉しく、死してよりの地獄をも苦にならない現世の愛に浸っていた。
 安堵して深く眠り、けれども涙が頬を伝った。
 気づいた男がそっと指でなぞって拭いて、その涙を舐めてやる。
 もうしばらく・・いずれ許されるときがくるのなら、昌利は職を辞して隠居となり、百合花と共に暮らすつもりでいた。

 翌朝になり。
 甘味処 香風のはじまる朝の四つ(十時頃)の、さらに一刻ほど前の刻限となって、瀬田はいつの間にか消えている。
 次はいつ逢えるのだろう。一人きりの店にいて、決まってこのとき百合花は涙を浮かべるのだった。
 そうするうちに源兵衛とお燕がやってきて、いつもどおりの朝がはじまる。
 その日は昼過ぎになって、紫頭巾で顔を覆った若い女がやってきた。武家の若き御新さん(妻)。悩みがあってやってくる。通称庵主様は口伝てにひろまっていて、またこの頃の甘味など婦女子しか口にしないものでもあって、お客は大半が女であった。

「庵主様、どうぞお頼み申します」
「これはどうも、どうぞこちらへ。今日はまた何かおありで?」
「それが・・主が少し変わっております」
「と申されますと?」
「あのときに・・夜のその・・」
「・・ああ、はい。それでどのような?」
「いやらしいものをしゃぶれと申しまして・・それからあの、お尻の・・不浄の穴に入れようとまでするのです」
「まあまあ・・おほほ、仲睦まじくてよろしいではございませんか」
「そうなのですか? わたくしなど尋常ではないと思うのですが?」
「いいえいいえ、仲睦まじいことですわ。それは少しもおかしなことではありませんよ」

 この頃の武家の妻は厳格な家に育てられ、そういうことをほとんど知らずに未通(おぼこ)のまま嫁いでくる。
 香風を訪ねてくる女たちの悩みは、武家や町人の別なくだいたいそうだ。若ければ性的な趣向のことや姑との不仲。歳が進めば不貞であったりもする。主の不貞よりも自身のそれに苦しんで、話し相手を求めてやってくる。
 女たちは皆、相手は尼僧だと信じていた。百合花は日中頭巾をかぶって髪を見せない。剃髪していると思う者も多かった。

 百合花は若き妻の手を取って微笑んだ。
「殿方とはそういうものです。そうやって妻を愛おしみ、さらにまた愛おしさをつのらせていく。恥ずかしがったり、ときには怒るふりもして、上手に操っていきませんとね」
「けれどもあの・・白き精を飲めなどと・・ああ言葉にするのも恥ずかしや」
「うふふ、うぶなお方ですこと。初々しくてそれはそれでよろしいのですが、わたくしとて、かつては女人の性(さが)に悩んだもの」
「庵主様がですか?」
「そうですとも。わたくしとて生まれながらの尼僧ではありませんゆえね。愛おしさがつのればどのような性技にも応えてあげられるはずですわ」
「ではそれも尋常なことだと?」
「夫婦の営みとはそうしたものです。お二人の密技ですので求めに応じてあげればよろしいかと。ふふふ、可愛らしい御新様ですこと」

 そうやって誰にも言えないことを打ち明けて、さっぱりした気持ちで夫に抱かれて達していく。庵主のいる香風へ行けば人に言えない悩みが言える。口伝てにひろまって、苦しい女たちが次々にやってくる。
 しかし・・。
 そうして女の幸せを支えながら、一方では惨殺されていく女たちに何もしてやることができない。庵主としてではなく百合花という一人の女として、許せない気持ちになる。この妻も健気で愛らしい女だ。

 よほど恥ずかしいのか若い妻は頬を真っ赤に染めていた。庵主は一度放した白い手をふたたび取って、座卓を回り込ませ、若く細い体をそっと引き寄せて膝に寝かせる。
 若き妻はきょとんとして法衣の膝から庵主の微笑む顔を見上げていた。
「よろしいですか御新様、夫婦の営みというものは、旦那様のため妻は娼女となるものです。素股と申しますが腿に硬くなる旦那様を挟んであげたり、乳房に挟んで導いてあげたりもいたしますし、お口にいただくこともおかしなことではありませんよ。わたくしなど月のものが参りますと手を絡めてしごいて差し上げ、うっとりとされるお顔を楽しませてもらったほど・・お尻もまた同じかと」
「さ、左様なものでございますか・・ではわたくしがいけなかったのかも・・」
「旦那様は粗暴なお方ではありませんよね?」
「はい、それはもう・・実直きわまりない、それはおやさしいお方です。ただ夜のことだけが気がかりで・・」
 庵主はうんうんとうなずいて若い妻の背を撫でて言う。
「殿方は童なのです、こうして膝枕をせがんでくるもの」
「ええ、それは・・膝に甘えて・・うふふ」
「そうでしょう? ですからね、妻はもっと淫らでよろしいのです。そのほうが旦那様はお喜びになられるでしょう」
「はい・・かしこまりましてございます・・ああ恥ずかしや・・このようなお話をするなどと・・ああ恥ずかしや・・」

 若き妻は今宵の床を想うように穏やかな面持ちとなって帰っていく。

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