快感小説

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レズ小説 デルタ(七話)

七話~苛立つ女


 しばらくぶりの留美の部屋。待ち焦がれる誰かとこうなることを期待するように、いつの間にか増えていた赤いラブソファ。小さなローテーブルには、美鈴に教わったというお手製のホットドッグとコーンスープ。それに綺麗に切って盛られたリンゴはいい香り。
 そんなシチュエーションの中、若い全裸を晒してお座りする犬のポーズで微笑む留美を見ていて、麻紗美は腹が立ってくる。仕事帰りで自分だけがつまらないビジネス下着・・それにもまた腹が立つ。
 自分だけがつまらない女のよう。若いこの子が牝となって輝いているのに、いったい私はどうなんだ・・そうした想いが交錯して、留美が可愛いからなおのこと苛立ちに置き換わってくるのである。

 麻紗美はネットで見たM女たちの姿を思った。あの夜は美鈴が暴走しないよう静める側に回っていた。けれどそれも私自身が打ちのめされてしまわないようガードしたい気持ちの裏返し。麻紗美はそれを自覚していた。レズからSMへと加速していく性への解放が信じられない。

「いいわ留美、わかった。それならそうと私も私を変えなくちゃ。今日の私は怖いわよ」
「は、はい、お姉様」
 ドッグスタイルで半歩さらに歩み寄る留美。グレーアッシュのロングヘヤーはポニーテール。すでに紅潮する若い頬を隠せない。濡れたような留美の二つの眸を覗き込み、麻紗美は右手でちょっと頬を叩いた。目を丸くし、ビクッと引き攣る若い犬。
口惜しいほど綺麗なヌード。
「可愛がってほしければ服従なさい。いいわね留美」
「はいっ、お姉様」
 反射的に留美は言って、とたんに息が乱れてくる。天性の牝犬。眸が据わり、性の波に小鼻がひくひく蠢いて・・。
「そこに膝で立って膝は肩幅。両手は頭の後ろでしょ。奴隷のポーズを覚えなさい」
「はい・・ああ、お姉様ぁ・・怖い・・」
 怖いと言いながらも感じ入った牝の息声。留美は裸身を震わせながら服従のポーズをとった。ふっくらと形のいい乳房の先でしこり勃つ二つの乳首に手を伸ばす。色素が薄い整った乳首。それにもまた腹が立つ。

 つまむ。手荒くコネて、指先に力を入れてヒネリ上げる。

「ぁン! んっんっ!」
「どう? 感じる?」
「はいっ・・ああイキそう・・ぅぅ・・感じます」
 留美はあのときもそうだった。女心が天に昇り、カラダが後追いするような性のピーク。私でさえが知らないものを十歳下のこの子は知っている・・腹立たしいし、羨ましくてしかたがない。
 麻紗美は乳首で乳房を伸ばすように、さらにヒネる。
 うくく・・うぎぎ・・痛いのだろう、声を噛んで耐える留美。せつなげな表情がたまらない。
 十歳違いでこの想いなのだから、美鈴のように二十違えば娘のようなものだろう。可愛くてならない。美鈴の想いと私の想いのどちらもを独占する留美・・そう思うと麻紗美の中にメラメラと燃え上がるものがある。
 サディズムなのか。それもちょっと違う気がした。嫉妬なのかも。

 片方の乳首から指先を離し、右手でいきなり牝犬の深みをまさぐった。二本束ねた指先が苦もなくぬるりと没してしまう。体の中は燃えていた。
 せつない喘ぎが漏れ出した。甘い。腰が揺れる。ありったけの女心を溶かしたような愛液があふれ出てくる。
「あらあら、呆れてものも言えないわ、もうヌラヌラ・・ふふふ」
「は、はい・・ああダメだ、おかしくなりそう・・目眩がする・・」
 麻紗美は、留美から指を引き抜くと、牝犬の両方の乳房を交互にちょっと叩き、微笑みかけて腕の中へと絡め取る。しなりと崩れて全裸の留美は膝に抱かれ、愛液で汚してしまった麻紗美の指をぺろぺろ舐める。
 弱くなった丸い目で見上げる犬を見下ろすと、よほど嬉しいのか、犬の二つの眸に綺麗な涙がたまっていた。

「泣いちゃったね・・可愛いわ、留美ってほんと、たまらない」

 おかしい。なぜだろう?
 攻撃色が瞬時に去って、抱きくるんでやりたい母性だけが騒いでいる。私は女王になりきれない。そんな自分が可笑しかった。
「さ、ご飯にしましょう」
 麻紗美は最初にスープに口をつけると、大きなホットドッグをひとかじり。口に入れてよく噛んで、膝の上で見上げる留美の口許に口を寄せた。留美は伸び上がり、両手を麻紗美の肩に回して口づけをせがむよう。
 口移しに吐き出して食べさせる。あのときもそうだったが、これをすると留美はうっとり目を閉じて、吐かれたものを受け取って食べていく。
「美味しい?」
「はい嬉しい・・お姉様大好き・・泣いちゃうもん」
 泣きべそで笑っている。この子の心の空洞がどういうものだったのかと、顔を見ていて思わずにはいられなかった。
 パンだけ。パンとスープを一緒に。リンゴはそのままつまんで食べさせる。
 膝から離れた留美は犬の姿で一途に見つめたまま・・キラキラ眩しい若い瞳が煌めいて・・不思議な夕食が続いていった。

「あらそう、そんなことがあったの・・それでわかった」
「え、何が? 何か言ってた?」
「ううん、あの子は言わない。言葉じゃなくて目の色が素直になった。お客さんが帰ったテーブルを拭かせると、ほんと自然にお尻を上げて私に見せる」
「そうなんだ?」
「薄皮みたいな戸惑いが綺麗さっぱり消えていた。躾けていくよって私が言うと、あの子、ほんと素直に、はいって答える。いい子になったわ」
 嬉しそうに言う美鈴。

 留美との夕食から二日。今日は土曜日。麻紗美の夫は暗いうちからゴルフに出かけて留守だった。麻紗美はカレンダー通りだったがパソコンショップは年中無休で交代休。土日はとりわけ休めない。
 麻紗美はベルカフェの開く十時には店にいた。穏やかな晴天で、こういう日は得てして暇だと美鈴は言った。ボックスの一つに学生らしいカップルがいたが、お茶だけ飲んでさっさと出て行く。ここで待ち合わせてデートだろう。ベルカフェにはモーニングというものがない。開けるなり忙しくなるのはまっぴらだと美鈴は笑う。

 どうしたことか、お客なし。カウンター越しに麻紗美は言った。
「四つん這いにしてやったの。身体検査よ」
「わお! くくく、ヌラヌラだった?」
「後ろにしゃがんでお尻に手を置いて覗き込んでやったのよ。それだけでイキそうになって喘いでいたわ・・だけどね」
「うん?」
「私と同じ女の根源を見せつけられた気分だった。私だって夫にこうして愛される。留美のことは言えないなってそのとき思った。淫らな私を夫だけは知っている。でもだから安心して素直になれるんだって思ったな」
「女の根源か・・確かにね、私もそうだし」
「あのとき私は私の本質を見てたのかも知れないなって・・羨ましい」
「羨ましい?」
 美鈴は野菜を刻む手を止めて顔を上げた。今日の美鈴は白いドレス。うっすらとだが白い下着が透けていた。顔だけを上げたことで開いた胸元から白い乳房が覗いている。白のブラ。桜色の乳房。

 麻紗美が言った。
「何が羨ましいのかもわからないけど、そこまで素直になれるんならマゾっぽくてもいいかなって思ってしまった。妻のポーズをあの子は知らない」
 それを聞いて美鈴が首を傾げて微笑んだ。
「私なんて、それに加えて母のポーズよ。ほんとの私は家の中にはいなかった。だからこうして別居した」
 母のポーズ。それは麻紗美も知らない女のキャリア。麻紗美はハッと美鈴を見つめて浅いため息を漏らしていた。

「くだけたね麻紗美」
「はい? くだけた?」
「最初はね、そこらの普通の女だなって思ってた。ごめん、気を悪くしないでね。内心いろいろあるくせに何食わぬ顔で取り繕って・・だけどそんなものは臆病の言い訳でしかない」
「そうかしら・・私変わった?」
「変わったよ。性を話せるようになっている。あのね麻紗美」
 切り終わったキャベツを水に晒しながら美鈴は言う。
「はい? なあに?」
「エッセイ」
「あ、うん?」
「私は私と話すために書きはじめた。言葉の中にはもう一人の私がいて、彼女にならどんなことでも話せたの。もちろんそんなものは公開できない。外に出せない文章なんてたくさんあるし、そうやって私は私自身を探っていった。私はどうなりたいのかって文章の私と話していたのね」

 そういうことができるのは羨ましい。麻紗美も学生の頃は似たようなことをしたものだったが、そのうち怖くてできなくなった。現実の自分との乖離を見せつけられるとどうにかなってしまいそう。もう一人の私を封じ込めて生きてきた・・と、そんなふうに意識が内向きに切り替わっていたときに、心にフェードインするように美鈴の声が忍び込む。
 目の前が明るくなった気分だった。
「留美はそれなのよ。私にとっての、もう一人の私。麻紗美にとっての、もう一人の麻紗美。それが留美だし、留美にすれば、その逆ね」
「逆って? あの子が私たちに投影している?」
「そういうこと。もう一人の自分と会話するように私や麻紗美と接している。本音の自分が外にいてくれれば、それこそつまり解放ですもの」
 ちょっと難しい。しかし麻紗美にはわかる気がした。
「書いてみようかな私も」・・と、麻紗美は言って、ため息を。
 美鈴は眉を上げてうなずいた。

 留美、留美、留美っ。

 裸の留美。あなたはヘンです。ぜったいヘン。
 淫らな女心をさらけだし、打ち震えて果てていく。
 インランではなさそうで、ヘンタイでもなさそうで、
 よくわからないジブンを探るように演じてる?

 あなたを見ていて思うのよ。私だって、こうなりたい。
 素直なキモチ。正直なワタシ。だって、そんなもん
 滅多やたらに見せられるものじゃない。

 うん、わかった。だから苛立つ。妻気分のワタシの真実。
 私のワタシを見せつけられているようで・・ムカつく。
 私はワタシを捨てられないから、きっと留美も捨てられない。

 カワユイよ。カワユクなりたい私なのに、カワユクない。
 そうか、そこに苛立つんだ。
 いまさら何を言ってるの? 32年は何だったん?

 ダメな私を叱るように、私は留美を責めていきたい。


「・・これを麻紗美さんが?」
「こんなんどーってメールで飛んできた。午前中に来て、書いてみようかなって言ってたのよ」
 その日の夕刻過ぎだった。麻紗美は夫が戻って動けなかった。仕事帰りにベルカフェを覗いた留美は、店を閉めたシャッターの裏側で、美鈴と並んでカウンターに座っていた。コンパクトなノートPCを開いて置いた。
 美鈴は横目に留美を見た。今日の留美は露出ゼロのジーンズスタイル。
「どーよ?」
「・・嬉しいな・・あたし泣きそ・・それにすごくお上手で・・ちょっと信じられない気分」
「そうなのよね、ここまで書けるとは思わなかったし、もっとあたりまえの固い文章を想像していた。留美が麻紗美を変えたのよ」
「あたしがですか?」
「そこにあるように、麻紗美は留美に苦しい自分を投影している。最後に責めるって書いてあるでしょ。『愛する』でも『可愛がる』でもなく『責める』って」
「ええ・・そうですね」
「共振よ。女はそれぞれ波長が違う。合わせようとしたってダメ。相手の中に自分を見いだせない間は同調できないものだもん。『愛する可愛がる』には遠慮があるし、どこかに自分をいい子にしておきたい逃げもある。優位に立っていたいしね」

 留美は息を詰めて美鈴をじっと見つめていた。
「それって・・え?」
「わからない? 私はもう逃げませんて宣言じゃない。いまがチャンスよ」
「チャンス? えっえっ?」
「麻紗美のこと調教しましょう。二人で麻紗美を責めてやる」
 
 驚きを通り越し、留美は口を開けたが声が出ない。

「これプリントできます?」
「欲しい?」
「欲しいですっ。最高のラブレターだわ」

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