快感小説

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新・如月夜叉(終話)

終話~雪のごとく如月夜叉


 この忍び屋敷は、周囲を男の身の丈よりも高い土塀にぐるりと囲まれ、その前庭は駆け回れるほど広くはなかった。その中で多勢に無勢。にもかかわらず嵐の剣さえ白き般若に届かない。
 お紋は白ずくめの忍び装束。対する夜叉は五人ともに足首まである寝間着の姿。脚が開かず着物がまつわりついて、どうしても後手に回る。手裏剣なども持ってはいなく、このままではいかにも危うい。

 白き般若は、鳥・・いいや、まさに天狗のごとく、夜叉の剣をあざ笑うように宙へと舞い、横へ後ろへ宙返り、その刹那、返す刃が襲ってくる。
 嵐の寝間着の袂が斬られ、五尺寸の長棒を持つ江角でさえも寝間着が浅く斬られている。嵐や江角でなければ死んでいた。はじめて相まみえる恐ろしい敵・・おしろい般若。

 嵐の太刀があしらわれ、狐のごとく、くの字に踏み込む白狐・・お菊の剣が跳ね上げられて、攻めのことごとくをかわされる。
 嵐は寝間着の帯を解き、脱ぎ去って白き夜叉と化していた。
 江角も全裸。体の大きな涼風・・お涼も全裸。白狐・・お菊もそうだし、女陰働きの女郎花・・お雪は、豊かな乳房を弾ませる姿となった。
 これで動ける!
 般若がくすりとほくそ笑む。
「どいつもこいつも殺るには惜しい体だよ。傷もない。それも口惜しい。どうしてもやると言うなら受けてやる・・覚悟せい!」

 般若が舞う。夜叉が追う。
 身の丈をはるかに超える般若の飛翔・・振り下ろされる鋭い太刀筋。
 雪のごとく白き五つの女の影が、女陰を晒して地べたに転がり、乳房を弾ませ、江角の棒が般若に向かって突き込まれたとき・・なんとお紋は、その細い棒の上へと蝶のように舞い降りて、棒に立つ。
 なんという身のこなし。それも大きな女であるはずが棒に重みを感じない。
 江角は、とても勝てないと見切っていた。
「まずはおまえからだ、首はもらう!」
 棒に立ったまま般若の金色の剣が横に振られ、江角の首を跳ねようとしたときだ・・。

 キラリと幻影を引きずるように、二本の打ち根(小さな槍状の手裏剣)が天から舞い降り、うち一本が般若の左肩に突き刺さり、一本は江角の足下の地べたへと突き刺さる。
 不意を突かれて般若がひるんだその隙に、江角は棒を捨てて横っ飛びに剣をかわした。間一髪!
 八角棒もろとも地べたに落ちた般若だったが、たちどころに構えをただし、傷は浅い。
 全裸の嵐は如月流の剣を振り、般若を飛ばせておいて、地べたに突き刺さった打ち根めがけてもんどり打って、打ち根を抜くと、そのとき上から般若の剣。 「死ねい!」
「なんの!」
 女の秘部をあからさまに晒すあられもない姿で嵐は横に転がって、般若の太刀筋から逃れながら、下から打ち根を放つ!
「うっ! うむむ!」
 蒼い星明かりにキラと糸を引く手裏剣が般若の右胸に突き立った。
 そしてそのとき、くの字に切れ込む白狐ならではの太刀筋が般若の左胴を切り裂いた。
「セェェーイ!」
 手裏剣を放って立ち上がりざま、猛然と挑みかかる如月の剣の切っ先が心の臓を貫いた。

 白き般若の装束が血に濡れて崩れていく・・しかし・・。

 倒したと思い、四人は剣を下ろし、江角が八角棒を拾い上げたとき・・崩れ去って屍となったはずのお紋が、恐ろしげな笑い声を上げるのだった。
「ふっふっふ、不覚をとったわ・・されど死なぬ・・もはや痛みすらも感じぬわ」
 全裸の夜叉五人が崩れて蠢く般若を囲み、ふたたび斬ろうとしたときに、般若は鳥のように飛び立って、二階・・いや三階ほども高い大屋根へと舞い上がる。
「おのれ妖怪! 降りてこい!」
 お涼が叫ぶも、装束を血に染めた白き般若は確かに笑った。
「今宵はここまで・・いずれ嬲り殺しにしてくれよう・・」
 そしてその女声が、低く響く男の声へと変わっていく。人の声とは思えない。
「お紋など、もはや逝った。いとしき女の体を借りて生きながらえるも、またよしか・・くくくっ・・さらばだ、そなたらの体、楽しませてもらうゆえ・・」

 白き般若・・お紋の姿を借りた『叡山の鬼天狗』が飛ぼうとしたとき、大屋根の背後から襲いかかる黒い影・・鉄錆色の忍び装束・・ざんばら髪、髭面の大きな男が躍り出た。
 彪牙だ!
「そういうことだったか。どおりで探れど見つからぬはず。俺が相手よ、覚悟せい鬼天狗!」
 全裸の夜叉五人が呆然と見上げていた。
 躍り出た男は強かった。さしもの天狗をたじろがせ、大屋根の上を駆け、天狗もろとも転がり飛んで、庭へと降りた。
 ふたたび構える五人の夜叉に手をかざし、おまえたちは退けと言う。

「セイヤァーッ!」
 すさまじい気合い! 鬼神のごとき彪牙の剣! 
 それを受けきり稲妻のごとく金色に糸を引く、天狗の剣!
 土塀を足がかりに真横に飛んだ天狗の剣が彪牙の装束を浅く裂き、そのとき振るった彪牙の剣が、般若の白装束を浅く裂く。
 両者の影がぶつかるように刃と刃が火花を散らし、一瞬後に、鳥のように、猿のように、二つの影は飛び交わし、駆けてはもつれ、地べたに転がり、ふたたび跳ねる。
 すさまじい戦い・・屋敷の中では、お真知、結、お燕の三人が声をなくして見つめている。まさしく男の死闘であった。
「なかなかやるな、ぐっふっふ!」
 天狗が地の底から湧くように笑い、その刹那、金色の剣を振りかざして挑みかかる。
「なんの、それしき!」
 彪牙の剣がギラギラ光り、金色の剣と交わったとき、彪牙の剣が中ほどで折れて飛んだ。
 忍びの剣をへし折った金色の剣が浅く彪牙の腕を斬り、彪牙が飛び退いて転がったとき、江角の八角棒が横から天狗に突き入れられた。
「ハァァーイ!」

 しかし天狗は、ひらりと身をかわしざまに舞い上がり、ふたたび大屋根の上へと飛んで見下ろした。
「これまでよ・・いずれ会う日を心待ちにするがよい・・ぐっふっふ」
 天狗・・いいや白き般若は、大屋根の向こうへと飛び退いて、どこか空のかなたへ飛び去るように姿を消した・・。

「ちっ・・逃がしたか・・」
 斬られた右腕を押さえながら彪牙が立ち上がったとき、全裸の江角がとりすがって傷を見た。
「かすり傷だ・・すまぬ」
 江角は女の眸色で彪牙を見つめた。背の高い彪牙を見上げるようになる。
「どうしてここに?」
「天狗を殺るのが役目・・ふふふ、抱きてえぜ江角・・」
 そのときになって江角は己が全裸であることに気づいたようだ。
 嵐も。お涼やお菊やお雪もまた、両手で自分を抱くように乳房を隠して恥じらった。彪牙は大きい。彪牙は強い。嵐はともかく、江角も皆も体が火照るようだった。
 江角が言った。
「手当する」
「いや、ほんのかすり傷。江角・・俺の子を成す女・・」
「・・嫌だ・・あっ!」
 恥じらう間もなく、彪牙の左腕一本で江角は裸身をしならせて抱かれ、唇をさらわれて、男の無骨な指先が下腹の翳りへ潜り込み女陰へと差し込まれる。
「はぁぁ! あぁーっ彪牙!」
 江角の裸身がぐにゃりと崩れて彪牙の胸へと抱かれていった・・。

「ああ濡れる・・だめ・・溶けそう・・ぅは・・」
「ったく・・『ぅは』って何だい・・この色狂い・・」
 全裸で抱かれる江角を見つめて、お雪がくにゃくにゃになっていた。
 色狂いと言っておきながら、お涼は濡れはじめる女陰に戸惑った。
「・・いい男」
 嵐の横でお菊が小声でつぶやいた・・。
「憎たらしい・・ふんっ・・」
 嵐は笑って、横抱きに全裸のお菊を抱いていた・・。

 尾張徳川家江戸屋敷は、この後、現在の防衛省のある場所に上屋敷が築かれることとなるのだが、江戸幕府が開かれたこの頃は、水戸、紀州の御三家と合わせ千代田城内(江戸城内)に造られていた。
 尾張から江戸詰めを命じられた藩の重臣の一人が、国元から囲い者(妾)を呼び寄せたのだが、藩邸が城内では滅多なことはできない。そこで、この忍び屋敷から二丁(およそ200m)離れたところにあった、ゆかりの寺に女を住まわせ、配下の者十数名に守られながら密会していた。
 警護の厳しい城を出たところを襲われて、妾ともども首を取られて殺されたということだった。
 その知らせは百合花を通じて二日後に聞かされた。しかし探索もそこまで。瀬田は打ち切りを命じられる。深みに行き着き、世が乱れるということだ。

 瀬田はその働きが認められ、後の江戸町奉行にあたる『江戸市中探索方』を率いるよう重い職が与えられた・・。


 それからの香風・・。
 その日は朝から雨だった。いよいよ入梅。梅雨のはじめは雨は冷え、裏庭の木の葉で跳ねて涼しい風を香風に流す。
 濃い紺の法衣をまとった庵主のそばに、二人ともに鮮やかな茄子紺の法衣を着せられて若い尼僧が座していた。お真知と結。結はお真知に髪を委ねて尼僧となった。

 とそこへ、お客だと言ってお燕がやってくる。今日のお燕は真新しい花柄の赤い着物に茶色の前掛け。娘らしい姿であった。
「庵主様、お客様です、男の人がお二人で」
「あら・・それはめずらしい。お通ししなさい」
「はい」
 お燕は去り際、若い二人の尼僧にこぼれるような笑顔を見せて背を向けた。

 通されて覗いたのは、若くても落ち着いた若旦那ふうの一人と、まだほんの小僧と思われる一人。一人は落ち着いた鼠色の着物、若い一人はよく着込まれた紺色の着物。二人ともに町人髷をきっちり結って、庵主の前へと現れた。
「どうぞお座りくださいませ」
「あ、はい、では・・」
 若旦那が座卓を隔てた庵主の正面。若い一人は一歩退いて後ろに座る。
「わたくしは両国の呉服問屋、橘屋の主で、仙吉と申します」
「・・ああ、はい」
 二本松に晒されたお梅という若妻の亭主・・庵主は、あのとき訪ねてきた憔悴しきった女の姿を思い出す。この仙吉の兄の妻。
「そして、こちらに控えますは、入って間もない丁稚の喜介と申し、歳は十六。わたくしは主とは言え、まだ二十三の身の上でして」
「ええ・・確かお兄様の奥様が」
「そうです、姉がこちらでお話をうかがって、おまえも一度覗いておいでと言われていまして、それで今日」

 仙吉という若旦那は顔色もよく、少しは心も癒えたようだ。
「それで庵主様」 と言いかけて、仙吉は、庵主の横に並んで座る二人の若い尼僧に目をやった。
「これは申し遅れましたわね。こちらの二人は、結と真知。僧の姿はしておりますが出家させてはおりません。ともにちょっと過ちを冒しましてね、御仏の教えを学びつつ、こうしてお客様の声を知ることで女としての修行をする身。どうぞお気づかいなくお話ください」
 そのとき、お燕が茶と菓子を持ってやってきて、客の前へ並べて立った。
 若い丁稚の喜介が、そんなお燕をぽーっとなって見つめている。庵主はすぐにそれに気づいた。
「あらあら喜介さんとやら」
「は、はいっ!」
 小僧、緊張してガチガチ。
「この子はお燕、歳は十七。どうやら気に入ったようですね」
「これ喜介!」 と、仙吉は慌てて制したが、喜介は真っ赤になってうつむいてしまっている。
 去ろうとしたお燕に庵主が言った。
「お燕はどう? ごらんなさい、そなたに一目惚れで真っ赤になって・・ふふふ」
「ぇ・・ぁ・・どうって、そんな・・嫌だぁ、恥ずかしい・・」
 顔を覆って走り去るお燕。庵主と仙吉が笑い合い、喜介はますます借りてきた赤い猫。固まってしまっている。

 庵主はそんな喜介に微笑みながら、仙吉に言う。
「それで今日はどのような?」
 仙吉はこくりとうなずいて言った。
「ひとつは姉がお世話になったことへのお礼・・姉さん、それでどれほど癒やされたことか・・それともうひとつ、聞いていただきたいこともあり・・」
 今度は仙吉が赤くなってうつむいた。心の綺麗な若者だと庵主は思う。
「それはどのような? どうぞお話くださいな」
「はい、あの・・お梅のことがあって、わたくしが川っぺりで泣いておりやすと・・その・・店のすぐ近くの・・米屋の娘で・・名はお咲と申しやすが・・あっしのことを親身になって慰めてくれやして・・あっしもこのまま尻尾を巻いて尾張に帰ぇればお梅は犬死だと思いやして、もう一度やり直してみようかと・・」
 言葉がどんどん素直な仙吉へ崩れていく。
「強いお方・・そうですね、その方がお梅さんは喜ぶでしょう」
「はい、姉さんもそれはそう言いやすし・・そいであの・・ですから・・うー」
 仙吉はしどろもどろ。喜介より赤くなって震えている。

「そんでま・・近所の者がお咲ちゃんとあっしの姿を見ておりやして・・お咲ちゃんは十八で・・いっそ一緒になっちまえって・・ですから・・えっえっえっ縁談が」
 汗だく仙吉。
 よかった・・庵主は涙が出そうだった。妻の死から間もないのに、そんなことになっていいものかということだ。
 庵主はちょっと考えると、黒髪を失ったばかりの結に言った。
「結はどう思いますか? お梅さんとは・・ほら二本松であったでしょう・・」
「・・はい」
 結もお真知も胸が裂けそう。泣いて平伏し、謝りたい。
 結もお真知も涙を浮かべ、結が言った。
「もしも私なら・・としか申せませんが、お咲さんは嬉しいと思いますよ。もう少し間を置いて・・ですけどお二人で手を取り合って・・お梅さんも安心して眠ることができるでしょうし・・」
 ぽろぽろ涙をこぼす二人の尼僧に、仙吉までが泣いてしまってうなずいている。
 仙吉が涙声で言った。
「へい・・これから二本松を見てまいりやす・・お梅の奴に手を合わせて・・ぅぅぅ」
 堰を切って泣き声があふれだす。

 大粒の涙をこぼし、手を合わせて震えている結と真知へ、庵主は静かな視線をなげながら、死よりも辛い償いだろうと考えていた。

 仙吉、喜介の二人が帰っていくとき、坂の途中で何度も喜介は振り向いて、竹垣の横からひょこっと顔を覗かせるお燕が手を振った。
 そんなお燕の両肩に源兵衛がそっと手を置いた。大きな手だった。
「ずいぶんと可愛らしい小僧じゃねえか。背格好もおめえにぴったりよ」
「嫌だ・・源さんまでそんな・・ンふふ、けど可愛い・・ンふふ・・」
 源兵衛、高笑い。その声は香風の中まで響いていた・・。


女忍 如月夜叉 『おしろい般若』 完

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